関東を中心に数店舗を展開する「もうやんカレー」は、チェーン店にしては珍しい無添加カレーです。無添加以外にも野菜や薬膳香辛料たっぷりだったり、グルテンフリーであったりと、健康に対するこだわりは高いようです。
コアなファンがいるようで、通販でも販売されています。
しかし、食べた感じがやや塩分過剰だからか、「体に悪いのでは?」というイメージを持ってしまう方もいるようです。
この記事では、もうやんカレーの特徴や、市販のレトルトカレーとの比較、体に悪いかどうかを紹介します。
もうやんカレーとは?
もうやんカレーは、スポーツトレーナーだった辻智太郎氏が創業したカレー店です。
『身体に良い食べ物はなんだろう?』との疑問から始まったそうで、健康への工夫がたくさん取り入れられています。
最初は「大量のいろいろ野菜のごった煮のスパイス味」の料理だったそうなのですが、それを2年間毎日食べ続け改良を重ねた後にカレーの形に行きついたそうです。
1997年創業なので、すでに25年営業されていて、個人店としては歴史が長いですね。
本も出版されているそうです。
著者欄の経歴によると、スポーツトレーナーという経歴ながら、料理店でも修行をしてもうやんカレーを立ち上げたそうです。
1971年東京都杉並区生まれ。大学卒業後、スポーツ関連の会社の寮で、オリジナルのカレーを発明する。カレーショップ開業のため退職し、欧風カレーの名店『ボンディ』、フランス料理店『モンタニエ』で修業。25歳で西新宿に『もうやんカレー』1号店を開業。2015年10月現在で、創業18年、6店舗(うち1店舗FC)を展開。
業績が好調のようで、本が出版された当時よりも店舗数は拡大しています。
店舗によってはビュッフェがある
私が行ったもうやんカレー新宿東口店には残念ながらありませんでしたが、店舗によってはビュッフェ食べ放題の形式があります。
3種類のカレーソースとサイドメニューが1000円ちょっとで食べられるそうです。
出典)もうやんカレー
いろんなカレーが食べられるのはうれしいですね。
おしゃれ感はゼロ
新宿東口店は、狭いに男性客がいっぱい、壁際には男性向けの漫画が並んでいるという感じで、おしゃれ感はゼロでした。
健康志向のお店は女性向けのおしゃれなお店になっていることも多いですが、ここは男性中心なので女の人は入りづらいかもしれません。
歌舞伎町周辺はそもそも治安がよくない感じがありますので、新宿西口にある店舗の方がいいかもしれません。
もうやんカレーの健康へのこだわり
もうやんカレーには、さまざまな健康へのこだわりがあるそうです。
①無添加・グルテンフリー
②野菜たっぷり
③薬膳香辛料
④低カロリー・オリーブオイル
無添加・グルテンフリー
もうやんカレーの特徴は無添加・グルテンフリーであることです。
楽天で販売されている冷凍のもうやんカレーの原材料はこのようになっています。
牛肉 豚肉 チーズ 玉ねぎ 人参 セロリ りんご バナナ トマト ニンニク オリーブオイル 香辛料 バター 食塩 米粉
添加物は全く使用されておらず、家庭で調理したのと同じような原料になっています。
こちらはバーモントカレーの原材料ですが、市販のカレールーには、このくらいの添加物が入っていることが多いので、もうやんカレーのシンプルさが分かりますね。
食用油脂(牛脂豚脂混合油(国内製造)、パーム油)、小麦粉、砂糖、食塩、でんぷん、カレーパウダー、脱脂大豆、ローストオニオンパウダー、はちみつ、酵母エキス、粉乳小麦粉ルウ、バナナペースト、ポークエキス、粉末ソース、バターミルクパウダー、トマトパウダー、りんごペースト、チキンエキス、トマトエキス、玉ねぎエキス、香辛料、ガーリックパウダー、全粉乳、クリーミングパウダー、野菜エキス、しょう油加工品、ぶどう糖、チーズパウダー/調味料(アミノ酸等)、着色料(カラメル、パプリカ色素)、乳化剤、酸味料、香料、香辛料抽出物、(一部に乳成分・小麦・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・りんごを含む)
市販のカレールーは、原材料もペーストを使っているものが多いです。一方もうやんカレーのようなカレーは生の具材をそのまま煮詰めて作っています。
市販のカレールーでも、このような生の具材を煮詰める形式のものも販売されていて、「直火焼き」と呼ばれています。スーパーでも売っていますが、やはり手間がかかっている分お値段は少しお高めです。
また、もうやんカレーには小麦粉も入っていなです。
普通のカレーには小麦粉が入っていることが多いですがもうやんカレーは使っていないのでグルテンフリーになっています。アレルギーを持っている方には嬉しいですね
どちらも無添加・グルテンフリーではあるのですが、冷凍のカレーとレトルトのカレーでは原材料が異なるようです。
牛肉(オーストラリア産)、野菜(にんじん、玉ねぎ、セロリ、にんにく)、炒め玉ねぎ、バナナピューレ、カレーペースト、マンゴーチャツネ、バター、酵母エキス、オリーブオイル、ウスターソース、チキンエキス、配合型調味料、スパイスマサラ、カルダモン、魚粉/カラメル色素、香辛料由抽出物、(一部に乳成分・牛肉・大豆・バナナ・りんご・豚肉・鶏肉・さばを含む)
推測ですが、冷凍のカレーは店舗で作ったものを冷凍したもの、レトルトのカレーは他のメーカーに製造を依頼して作ったのではないかと思われます。レトルトにすると美味しくなくなってしまうという点もありますので、買うとしたら冷凍の方がよさそうです。
野菜たっぷり
もうやんカレーでは野菜もたくさん使われています。店内の掲示では、もうやんカレーを1皿食べると丼ぶり1杯ぐらいの野菜サラダを食べていることになると書かれています。
通常の3倍の野菜を使用しているそうです。ちなみに、こちらの野菜が入っています。
玉ねぎ、人参、セロリ、リンゴ、バナナ、トマト、ニンニク、マンゴー
確かに食べてみた感じ、水分ではなくて具材が詰まっているように感じました。自宅でカレーを作る場合、かなりの部分は水にルーを溶かしたものになりますが、もうやんカレーは具材がどろどろになっている感じです。食物繊維はたっぷり取れそうです。
こうした材料を煮詰めて作っているため、仕込みから完成まで2週間かかるそうです。
薬膳
もうやんカレーには「もうやん社長辻智太郎自らが見つけ出した究極のオリジナル熟成スパイス」が使用されているそうです。調合も、漢方薬膳の薬剤師が調合したそうなので本格的ですね。
スパイスは原材料のところに「香辛料」と表記されるだけなので具体的に何を入れているのかは分かりません。企業秘密としてあえて隠しているのかもしれません。
通販ではスパイスのみの商品も売られています。カレーにかけたりビールやハイボールにかけたりするといいそうです。
低カロリー・オリーブオイル
もうやんカレーは低カロリーも売りにしています。公式サイトによると100gあたりのカロリーは90キロカロリーです。
日本食品標準成分表によると、「調理済み流通食品類/洋風料理/カレー類/ビーフカレー」のカロリーは119キロカロリーになっています。これと比較すると、もうやんカレーはそこまでがっつり低くはないですが、低めではありますね。
低糖質カレーとして売らているものを買えば、もっとカロリーは低くできます。でも、あまりカットしすぎると味がほんとうにおいしくなくなるので、もうやんカレーくらいのバランスがいいのではないかと思います。
また、油も最高品質のエクストラバージンオリーブオイルを使用しているそうです。オリーブオイルはパーム油などの油と比較して健康に悪いとされるトランス脂肪酸が入っていません。
このトランス脂肪酸はマーガリンなどでも心配されているものですが、トランス脂肪酸が入っていない油は価格が高いので、安いトランス脂肪酸入りの油が使われています。
もうやんカレーが油の面でも素材にこだわっているのはいいですね。油にこだわり始めるのは自然派食品によくあることで、ポテトチップスでも、よく使われるパーム油ではなくコメ油が使われた商品がお高い値段で売られています。
もうやんカレーは体に悪い?カロリーや塩分を検証
健康に配慮したさまざまなこだわりがあるので、もうやんカレーは基本的には体に悪くはありません。
しかし、特に塩分やカロリーの点で体に悪くないのか気になる方が多いようです。
冷凍で販売されているもうやんカレーの栄養成分表(100グラムあたり)は以下の通りです。レトルトカレーのハウス咖喱屋カレー <中辛>と比較してみました。
成分 | もうやんカレー | 咖喱屋カレー |
タンパク質 | 1.7g | 2.4g |
脂質 | 3.7g | 4g |
炭水化物 | 12.5g | 9.8g |
エネルギー | 90kcal | 85kcal |
食塩相当量 | 1.14g | 1.4g |
1食分が200グラムなので、1食食べるとこの2倍の成分を摂っているいることになります。
塩分
もうやんカレーは食べるとかなり塩辛く感じます。
そのため、体に悪いのではないかと思ってしまいますが、ハウス咖喱屋カレー <中辛>と比較すると、100グラムあたりの塩分は控えめです。
1日あたりの食塩の摂取量が男性7.5g未満、女性6.5g未満なのに対して、もうやんカレー1食分(200グラム)の食塩相当量は2.28グラムなので、1食あたりの塩分量として多すぎるというわけではないですね。
カロリー
もうやんカレーは低カロリーが売りのはずでしたが、咖喱屋カレーと比較するとカロリーが高くなっています。
実は、市販のレトルトカレーは商品によってかなり差がついています。咖喱屋カレーは、カロリーオフ系ではない普通のカレーの中では少ない方なので、もうやんカレーより低カロリーになっています。
同じ市販レトルトカレーでも、中村屋のインドカリースパイシーチキンなどは100グラムあたりのカロリーが116kcalとなっていて、もうやんカレーより高いです。
カレーとしてはカロリー控えめですが、カレー自体が比較的カロリー高めの料理と言われているので、食べ過ぎは気を付けた方がいいかもしれません。
もうやんカレーはおいしいの?
健康にいいのは間違いないと思われますが、味の方はどうなのでしょうか?
実際に食べてみた感想を書いてみます。
甘口でもかなりスパイス感はある
もうやんカレーではカレーの辛さを選べるので、一番甘いものにしました。しかしそれでも結構辛味は感じました。スパイス感もあります。
冷凍で販売されている原材料を見ると食塩の割合は低いはずなのですが、結構塩味も感じました。他の原材料が長時間詰めている間に水分を飛ばしてしまった結果、塩分が強く感じられるようになったのかもしれません。
牛肉 豚肉 チーズ 玉ねぎ 人参 セロリ りんご バナナ トマト ニンニク オリーブオイル 香辛料 バター 食塩 米粉
これは他の方も感じていることのようです。楽天に書いてあったレビューでは「醤油味」と書いている人がいました。醤油は実際には入っていないのですが、まるで醤油が入っているように感じる塩気でした。
お金を出して買ったカレーの中ので、人生で一番まずい。醤油味の濃い味で、途中で捨てた。人生初めての経験だ。
楽天レビュー
味が濃いので、好みは分かれますね。
常連はかなり多そう
新宿東口店に行ったのですが、この辺りは歌舞伎町に近いので、ランチの時間帯はホスト風の方も多かったです。お客さんは男性が多かったのですが、観光客というよりは常連さんばかりのように見えました。
店から出てくる時にあー美味しかったと言っている人もいたので、特に香辛料が好きな方などはたまらない味なのではないかと思います。
栗原はるみの「わたしのカレー」と普通のカレーを食べ比べた時に、私の夫も香辛料感が美味しいと言っていたので、ハマる人にはハマるカレーなのかもしれません。
ネットでは「まずい」の声
酸味が強すぎることや塩分が強すぎることが原因でTwitterなどではまずいという声もあるそうです。
好みが分かれる味であるとは思いますが、私はまずいとまでは感じませんでした。
確かに最後の方は塩分が強くて食べづらい感じもしたのですが、美味しいなと感じた面もありますので個性のある味なのではないかと思います。
健康にもよさそうだし、近くにお店があれば2週間に1回くらいは食べたくなるかな、というくらいです。
冷凍で試してみては?
楽して栄養を確保したいといろいろ試してみたのですが、もうやんカレーもこのジャンルに入りそうです。
野菜を食べている感じがしないのにしっかり野菜や食物繊維を食べられるのはいいですよね。
塩分の面が少し不安ですが、気になる方は通販で試してみてください。
原材料が違うので、冷凍の方がよりお店の味を体験できると思います。