生協以外の宅配食材サービスといえば、オイシックス、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや、ビオ・マルシェが有名です。
この5社のうち、オイシックス、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやは運営会社が同じです。もともとは違う会社だったのですが、最近になって経営統合したため同じになっています。
経営統合後も、それぞれの特色を生かして別々のブランドでサービスを提供するということになったそうなのですが、サービスの仕組みはとても似ていますし、かぶっている商品もあります。
同じパッケージの野菜が届いたりするので、同じ生産者が作ったのものであることがわかってしまいます(笑)
しかし、よく見てみると結構違いがあります。この記事では、特にオイシックスとらでっしゅぼーやの違いについて、メリット・デメリットにわけて紹介します。大地を守る会とらでっしゅぼーやでお試しセットを取り寄せたところ営業の電話があったので、スタッフの方にも違いを聞いてみました。
らでぃっしゅぼーやのメリット
オイシックスと比較したらでぃっしゅぼーやのメリットはこちらです。
①食べやすさ重視で子供向き
②価格帯が低め
③商品数が多い
④自社便が使える
⑤フードロス削減に本気
⑥日用品も売っている
食べやすさ重視で子供向き
無農薬が売りの「坂ノ途中」を食べて特に感じましたが、農薬を減らすことを重視しているところは、葉っぱものが青くさかったり、あまり子供向けでははいように感じます。
一方らでぃっしゅぼーやは、食べておいしい感を強く感じられる商品に力を入れているように見えます。
お試しセットに入っていたミニトマトも「アイコ」という甘い品種でおいしかったですし、にんじんも味がはっきり違いがわかる味がしました。スーパー、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやのそれぞれのにんじんを食べ比べてみましたが、飛びぬけて甘い味でした。
「【実感】殿堂入りの濃厚さ!◆ 人参」という商品のレビュー欄に見ると、子供受けもいいようです。
生で食べた時の味の濃さに感動! 子どもがそのまま食べたーいとキッチンに来ます。 スーパーの人参と全然違う反応です。
価格帯が低め
お試しセットを取り寄せたところ、勧誘の電話が来たので、オイシックス・ラ・大地が運営する3社の中でお値段帯は高いのか安いのか聞いてみました。
大地を守る会からも電話は来ていましたが、大地を守る会は自分のブランドが一番高いと言っていました。らでぃっしゅぼーやの人から見てもそうらしいので、主にオイシックスとの価格比較について教えてもらいました。
「商品にもよるが、オイシックスよりも少しだけ安い傾向がある」とのことでした。
商品数が多い
らでぃっしゅぼーやのスタッフの方に聞いてみたところ、オイシックスよりも商品数が多いそうです。確かに公式サイトを見ても多い印象です。
特に、お肉やお魚、野菜などの日常的に料理に使う素材系の商品が多いという特徴があります。
オイシックスの場合は、有名店とのコラボやお取り寄せ、おしゃれなお惣菜などのお高い系商品の割合が高くて、普段使いできる商品の数が少ないです。頼める商品が限られるますので、主に素材を使いたい方にはらでぃっしゅぼーやの方が向いていますね。
おしゃれ宅配サービスというよりは生協に近いように見えます。
商品数はこのくらい違います。
ジャンル | らでぃっしゅぼーや | オイシックス |
パン | 26種類 | 18種類 |
豚肉 | 27種類 | 15種類 |
果物 | 31種類 | 34種類 |
切り身・丸魚 | 11種類 | 6種類 |
果物の数はオイシックスの方が多いですが、そのほかはかなり違いがありますね。
らでぃっしゅぼーやもオイシックスも魚は異様に少ないです。健康のことを考えるなら肉より魚なのではないかと思いますが、、、。
自社便が使える
実は、オイシックス系3社(大地を守る会・らでぃっしゅぼーや・オイシックス)には、特定エリアは宅急便ではなく自社トラックで配送する「自社便」というサービスがあります。
自社便にどのくらいメリットを感じるのかは生活スタイルにもよるのですが、送料が宅急便よりも安く設定されている、置き配ができる、段ボールのゴミが出ないという点がメリットです。
しかし、オイシックスだけはこの自社便のサービスがほぼ使えません。そもそも東京23区限定でしたし、現在は新規受付を停止しているそうです。
逆に、大地を守る会とらでっしゅぼーやは積極的に自社便を推奨していて、宅急便がいいとこちらから言わない限り自社便に誘導されます。「〇〇様のエリアは自社便ですね~」みたいな感じでさらっと自社便にされます。
らでぃっしゅぼーやでは、首都圏限定ではなく、複数の都道府県で利用できます。(都市部中心ですが)
東京23区、神奈川県、愛知県、大阪府、和歌山市、札幌市および近郊地域。東京多摩地区、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、三重県、岐阜県、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県の市部、及び仙台市。
オイシックスは宅急便の送料が安めなので、送料だけで比較するとらでぃっしゅぼーやの自社便とそこまで違いはないです。最安条件(オイシックスは「定期ボックス」、らでぃっしゅぼーやは「めぐる野菜箱」を注文、どちらも地域加算なし)で比較すると、このくらいの違いです。
注文金額 | オイシックス | らでぃっしゅぼーや |
---|---|---|
6,000円~ | 0円 | 0円 |
4,000円~ | 200円 | 180円 |
~3,999円 | 600円 | 480円 |
このほかの大きな違いは置き配されるかどうかですね。基本は日中家にいて少し外出するだけの方であれば置き配は便利ですが、夜遅くまで帰ってこない共働きの方には不便かもしれません。送料は高くなりますが、自社便対象地域でも、宅配便も選択できます。
置き配の場合、段ボールではなくて生協のような発砲スチロールのケースに保冷剤を入れて配達されます。
フードロス削減に本気
らでぃっしゅぼーやが「フードロス削減」をアピールした広告を出していたのを見かけて、イメージがいいからやっているのかなといううがった見方をしていまったのですが、商品ラインアップを見てみるとかなり本気で取り組んでいるようです。
めぐる野菜箱
らでぃっしゅぼーやは「めぐる野菜箱」という、中身が選べない野菜セットが主力商品なので、そもそも売れ残り野菜が出にくい仕組みです。オイシックスは中身が選べない系の商品はほぼないですし、大地を守る会は多少あるものの、小さなセットが多く主力商品ではありません。
しかしらでぃっしゅぼーやは、この選べないセットを頼まないと送料が高くなるので、なるべくこのセットを購入した方がコストを抑えられます。
選べない野菜セットは、売れ残り野菜が出ないので農家さん的にはとてもメリットのある仕組みです。一方ユーザー的には不便なので、オイシックスではやっていないのだと思われます。
らでぃっしゅぼーやでは、この不便感を解消するために、「めぐる野菜箱予報」というものを出しています。注文前にある程度内容を把握できるもので、的中率は80~90%だそうです。
ふぞろいRadish・未利用魚
「ふぞろいRadish」という、ふぞろい商品を扱うコーナーがあるのですが、これになんと「未利用魚」が含まれているのです。
未利用魚というのは、ほかの魚と一緒に獲れてしまうけど、なんらかの理由があって市場には出回っていない魚のことです。つまり、「謎の魚」を食べることになるわけです。
「謎の魚」はあまり食べたくないという人も多いと思いますので、これはかなりレベルが高いフードロス対策だですね。
オイシックスが大地の会と経営統合したのが2017年、らでぃっしゅぼーやは2018年なので、比較的最近のことです。オイシックスがあまり打ち出していないフードロス削減に熱心なのは、経営統合前の方針を引き継いでいるのかもしれません。
日用品も売っている
らでぃっしゅぼーやでは、食品以外の日用品も購入できます。
500ミリリットルのシャンプー1本が4,840円など、桁がおかしいものもありますが(笑) 継続して販売されているということはある程度の需要はあるんでしょうね。
自然派店や生協でよくある、せっけん成分の洗剤しか置いていないということはなく、合成界面活性剤入りの商品もあるようです。
らでぃっしゅぼーやのデメリット
オイシックスと比較したらでぃっしゅぼーやのデメリットはこちらです。
①無農薬にはこだわっていない
②ミールキットはない
③ウェブ・アプリ対応は微妙
無農薬にはこだわっていない
らでぃっしゅぼーやは、公式野菜でも「有機・低農薬野菜」を販売しているとなっていて、無農薬はアピールしていません。
農薬の使用度合の表示もやる気がなく、個別の商品ページになんの説明もなく「無~低」と書いてあるだけです。
おそらく「無農薬のものもあるし低農薬のものもある」という意味なのだと思われます。細かく区別して表示する気はないようです。
一方3ブランドの中で一番農薬に頼らないアピールが強い大地を守る会は、商品ごと以下の3種類で表示されています。
「有機」…日本農林規格に基づいた有機農産物の認証を受けた農産物
「無」…栽培期間中節減対象農薬(※)不使用(購入種苗を除く)の農産物。
「減」…大地を守る会有機農産物等生産基準に則って、使用できる農薬の種類や回数を制限して栽培された農産物。
(※)節減対象農薬とは、化学合成農薬のうち有機JAS規格では使用不可能な農薬です。
ただ、大地を守る会の人に無農薬について聞いたところ歯切れの悪い感じでしたし、「無」の表示の意味も「栽培期間中節減対象農薬(※)不使用」となっています。「原則無農薬」としている坂ノ途中というサービスよりは無農薬へのこだわりは低いように思います。
「無農薬」と言い切るには全く使わない必要があり、それはかなり負担の大きいことなので、減農薬程度でも十分なのではないかという考え方もあります。
ただ、オイシックス系3社に共通して、安心な野菜をアピールしている割には情報開示はあまりされていないように見えます。特にらでぃっしゅぼーやはそういう傾向があるので、この点はデメリットかもしれません。
ミールキットはない
素材系は充実していますが、オイシックスのKit Oisixのようなミールキットはありません。また、冷凍食品の数も少な目です。
よくも悪くも、手作りをがんばる自然派ママ向けのサービスという印象です。
ウェブ・アプリ対応は微妙
オイシックスには専用アプリがありますが、らでぃっしゅぼーやにはありません。注文はウェブからになります。
オイシックスをずっと使っていましたが、やはり専用アプリは便利なので、その点らでぃっしゅぼーやは少し不便に感じます。ただ、これは我慢できる範囲です。
気になるのは、ウェブの注文画面を見て、何がどこにあるのかわかりづらいことです。ネットが普及する前の、電話などでの対面中心の体制から抜け出せていないのでは?と思ってしまいます。
らでぃっしゅぼーやの定期購入商品は「めぐる野菜箱」というのですが、これは入会時スタッフさんが電話で簡単に説明してくれたのですが、あまり説明はなくスタッフさんおすすめのものを単に了承したような感じです。
めぐる野菜箱の種類を切り替えようと思って探してみましたが、一覧がなかなか見つかりません。やっと見つけた「めぐる野菜箱」の紹介ページを見ると、このような種類があるそうです。果物ありかなしかを選べるコースもあります。
・基本のコース(L・M・S)
・S(7~9種)じゃがたま人参抜き
・M(9~11種)1品交換可
・SS(5~6種)少量
S(7種)産地限定
主力商品のはずなのにわかりにくいですし、ほかにも全体的にサイトの使い勝手が悪い印象です。
安くて子供向けなのがいい
子供が食べられる甘めの野菜が豊富なのはすごくありがたいです。
安いといってもスーパーよりはかなり高いですが、オイシックスや大地を守る会で出てくるような、びっくりするお値段の商品はあまりありません。
それと個人的には、パン商品が多めなのがうれしいです。スーパーのパンは添加物多めですし、町のパン屋さんもお店によってはかなり入っています。無添加パンは少し都会の高級パン屋まで行かないと買えないことが多いので、宅配サービスで気軽に買えるのは便利です。
同じ会社でもオイシックスと比べてかなりサービスが違いますので、気になる方はお試しセットを注文してみてください。