トルコ料理

トルコ料理はスパイスたっぷりで健康にいい! 有名シェフのレシピで作ってみた

トルコ料理・スパイス

薬膳料理用にスパイスをいろいろ買ってみたので、トルコ料理を作ってみることにしました。

ケバブ以外のトルコ料理のお店は少なく、都内でも23区に集中しているので、郊外に住んでいるとなかなか食べに行けません。

そこで、自分で作ってみることにしました。市ヶ谷と新宿に店舗がある有名トルコ料理店の「ボスボラス・ハサン」のシェフなどが、日本・トルコ協会のサイトにレシピを多数掲載しているのを見つけたので、本格レシピです。

トルコ料理によく使われるスパイス

トルコ料理にはいろいろなスパイスがありますが、日本・トルコ協会のサイトにあるレシピでは、日本でも比較的手に入りやすいスパイスに絞っているようです。

このようなスパイスがよく使われています。

スパイス効果
ブラックペッパー体を温め、胃腸機能を改善する
クミン消化を促進する
一味唐辛子老廃物の排出、疲労回復

量が多いのが特徴

スパイスたっぷり焼きハンバーグ」のレシピを見てみると、牛ミンチ750グラムに対して、ブラックペッパーが大さじ1、一味唐辛子が小さじ1.5も入っています。

日本のレシピだと、こうした香辛料を大さじ・小さじで表記するくらい入れることがまずないですから驚きますね。

ちなみに、この通り入れた場合かなり辛く感じます。スパイス好きな人にとってはすごく好きな味のようなのですが、そうでもない人にとってはちょっと辛すぎに感じるかもしれませんので、ブラックペッパーや一味唐辛子の量を減らしてもいいと思います。特に、子供には向きません。

トルコ風を出しているのはクミン

表現しづらいのですが、いかにもトルコ料理だなと感じる味があります。それが何に由来しているのかこれまで知らなかったのですが、作ってみると、「クミン」由来のようです。

クミンを入れるとトルコ料理っぽくなります(笑)

クミンには辛味もあると言われているのですが、それほど強くありません。ブラックペッパーや一味唐辛子は入れすぎ注意ですが、クミンに関してはドバドバ入れてもそこまで辛くなりません。

クミン独特の香りは強いです。

クミンに関しては、小さなスーパーでは売っていないこともありますので、近場で見つけられなかった場合は大きなスーパーに行ってみるか、ネット通販で事前に購入しておくことをおすすめします。

GABANやS&Bなどの大手メーカーから販売されています。

S&B ORGANIC SPICE 有機クミン(パウダー)
安全・安心・環境に配慮し有機栽培原料を使用した有機JAS認定のシリーズです。
インド料理を思わせるエキゾチックな香り。カレー、タコライス、ひき肉料理などに。

売っているクミンには、「クミンシード」と「クミンパウダー」があります。クミンというのは、クミンという植物の種子なのですが、種の形がそのまま残っているのが「クミンシード」で、それを粉末状にしたのが「クミンパウダー」です。

料理に使うときは、特に指定がない限り「クミンパウダー」が使いやすいです。「クミンシード」を粉末にしたものが「クミンパウダー」なので、「クミンシード(パウダー)」というわかりにくい表記をしているものもありますが、こちらはパウダーです。

トルコ料理は羊肉・トマトも特徴

そのほか、トルコ料理には羊肉とトマトペーストが使われることが多いように感じます。そのほか、日本・トルコ協会のレシピには、だしを使っていないという特徴もあるようです。

羊肉が多い

羊肉(ラム肉)は、必須アミノ酸が多く含まれていて健康にもいいとされているようです。

少し割高なのですが、味もかなりおいしいので、我が家では頻繁に買っています。

スーパーでも、牛肉コーナーの近くにひっそり数種類置いてあることが多いです。見た目が似ているのでよく見ないとわかりませんが(笑)

生協の小さな店舗だと置いていないことが多いので、イオンのトップバリュで買うこともあります。トップバリュでは自然派ブランドの「グリーンアイオーガニック」というものがあるのですが、このようなこだわりのあるラム肉が販売されています。

有機JAS認証を取得したオーストラリアの広大な指定農場で完全放牧を行い、化学合成農薬や化学肥料を使用していない自然の牧草だけで健康的に育てた、 風味豊かでやわらかな肉質が特徴の生後1年未満の子羊です。

ちなみに、トルコで主流のイスラム教では、豚肉を食べることが禁止されているので、料理に使われる肉は、牛・鶏・羊になります。

トマトピューレではなくトマトペースト

日本・トルコ協会のレシピでは、「トマトペースト」が使われることが多いです。これが、小さなスーパーには意外と売っていないので困ります。

トマトペーストが何かをそもそも知らなかったのですが、スーパーによく売っているトマトピューレよりももっと濃縮したものだそうです。

味付けなしというのが特徴だそうなので、トマトペーストがお店にないから困った、、、というときは、味付けありのトマトソースよりも、味付けなしのトマトピューレを使うのがいいと思います。

トマトピューレ→味付けなしのトマトを濃縮

トマトペースト→味付けなしのトマトをさらに濃縮

トマトソースなど→味付けありのトマト

メーカーによって違うと思いますが、カゴメのトマトピューレは3倍に濃縮、トマトペーストは6倍に濃縮したものらしいです。トマト成分の量を合わせるために、スーパーで売っていたトマトピューレを2倍量入れました。

だしなし

こちらは「ラムと野菜の煮込み」のレシピですが、煮込み料理にもかかわらずコンソメなどのだしが入っていませんよね。

そのため、具材を煮た後、味付け前のスープを飲んでみると、味がしません。

味付けは、塩・コショウ・一味唐辛子・クミン・ドライバジルのみですることになります。

調味料・香辛料だけでおいしくなるのか半信半疑でしたが、意外とおいしく仕上がります。

味をつけるために割とがっつり入れる必要があるのですが、ブラックペッパーや一味唐辛子をがっつり入れると辛くなってしまいますので、バランスはご家庭ごとに調整するのがおすすめです。

スパイスたっぷりトルコ料理を作ってみた

今回は、以下の3つのトルコ料理を作ってみました。

  1. スパイスたっぷり焼きハンバーグ
  2. ピーマンの肉詰め
  3. ラムと野菜の煮込み

スパイスたっぷり焼きハンバーグ

日本だと、「ジューシーふわふわハンバーグ」がおいしいとされていますが、トルコのハンバーグはつなぎの割合が少なく牛肉メインなので、食感は固めです。「スパイスたっぷり」とメニュー名にも書いていますが、本当に山盛り入れます。

日本の一般的なハンバーグと比べて、食感は固めです。

三越伊勢丹グループが運営する食のメディア「Foodie(フーディー)」に掲載されていた、「【シェフ直伝】基本のハンバーグレシピ、プロのワザで肉汁ジュワ〜!」を見て、肉とつなぎ・たまねぎのバランスを比較してみました。

レシピ材料
日本・トルコ協会牛(またはラム肉)ミンチ750g
パン粉100g
玉ネギ1個
ニンニク1片
塩小さじ1
ブラックペッパー大さじ1
クミン大さじ1
一味唐辛子小さじ1.5
ドライバジル大さじ2
オリーヴオイル小さじ1
スマック(ゆかりで代用)
Foodie玉ねぎ(みじん切り)…1/4個分
サラダ油…大さじ1
パン粉…大さじ8強
牛乳…大さじ6弱
牛豚合挽き肉…500ℊ ※牛と豚は3:1の割合
塩…小さじ1
白こしょう、ナツメグ…各少々
溶き卵…1個分
サラダ油…大さじ1

肉を同じ750グラムにそろえると、つなぎ・野菜の総重量はこのようになります。

レシピ総重量内訳
日本・トルコ協会202.5グラムパン粉100グラム
玉ネギ1個(100グラム)
ニンニク1片(2.5グラム)
Foodie298.5グラム玉ネギ1/4+1/8個分(37.5グラム)
パン粉大さじ12(36グラム)
牛乳大さじ9(135グラム)
溶き卵1.5個分(90グラム)

総重量もかなり違いますが、Foodieのレシピは水分多めの牛乳と溶き卵の比重が多く、日本・トルコ協会のレシピはパン粉と玉ねぎという違いもあるので、全体として食感がかなり違ってしまいます。

ふわふわジューシーが好きな方には好みの食感ではないかもしれませんが、トルコ料理ってこんなのなんだなということは感じられるので、ぜひレシピ通り作ってみてください。

普通のハンバーグと同様に、「こねる、丸める、焼く」だけなので、比較的簡単にできました。成形も手を汚したくなかったのでビニール袋の中で丸めてフライパンに押し付けていますので形がいびつですが、、、。

玉ねぎとにんにくは「すりおろす」とレシピで指定が入っていたのですが、めんどうだったので玉ねぎはみじん切り、にんにくは市販のきざみにんにく瓶を使いました。

普段は普通のレシピから勝手に玉ねぎの量を増やして玉ねぎたっぷりハンバーグにしているのですが、今回はレシピ通り作るためにちゃんと玉ねぎ1個分の分量にしました。そのため普段みじん切りに使っているフードプロセッサーを出すのがめんどくさく手でみじんぎりにしたので、玉ねぎのサイズが大きく手抜き感がすごいことになっています。

完成したハンバーグはこちらです。かなり手抜きしましたが、おいしくできました。

ピーマンの肉詰め

米とお肉が入っていることが特徴の「ピーマンの肉詰め」レシピを作ってみます。

レシピに突っ込みどころが満載です。見本の画像には、ピーマンの肉詰めの上に赤いソースと白いクリームやチーズのようなものがかかっていますが、この作り方がレシピが載っていません。材料一覧にもそれらしいものはないです。

レシピ通りに作ったところ、やや味付けが薄いように感じたので、このソース込みで味が完成するのだと思うのですが、ないものはないので仕方ないですね(笑) 味が薄いと感じる場合は、ケチャップをかけてもいいと思います。ケチャップをかけると、ケチャップが主張してしまいスパイス感が薄れるのですが、、、。

また、ピーマン5個に対して「牛ミンチ 150g+米150g」が少なくとも入るレシピなのですが、どう見てもピーマン5個にこの材料は入りません。巨大ピーマンを想定しているのかもしれませんが、普通のスーパーに売っているピーマンだと、10個使っても余ります。

レシピ通りに作るならピーマンを多めに用意しておくことをおすすめします。

ピラフなど、生米から鍋で加熱する系のレシピは芯が残ってしまった嫌な経験があるのでなるべく避けていました。しかし、このレシピは、たっぷりのお湯で煮て、煮えたらざるで水切りする形なので、芯が残る心配はありません。

「米を煮る、材料を炒める、ピーマンに詰めて煮る」の3ステップですが、意外と簡単に作れます。

煮た米や香辛料など、全部一緒に炒めます。

日本のピーマンの肉詰めは、ピーマンを半分に切って中に詰めることが多いですが、これはピーマンのへた部分をとって縦に詰めるようです。

ピーマン内部の種はとりますが、種がついていた白っぽい部分が残ってしまって肉を詰めづらいので、小さいスプーンで押しながら入れるといいと思います。

肉を詰めたピーマンをさらに煮たら完成です。

ラムと野菜の煮込み

トルコ料理といえばラム肉!なので、「ラムと野菜の煮込み」レシピを作ってみます。

お肉は大きめのお肉を1センチに角切りにするよう指定されていましたが、勝手にスライス肉にしてみました。

羊肉にはラムとマトンの2種類があり、ラムは仔羊、マトンは大人の羊です。鶏もそうなのですが、長く生きれば生きるほどお肉は固くなっていきます。

今回はラムのレシピなので、お肉はそれほど固くないのですが、それでも1センチ角の角切りお肉なので、食べると少し顎が疲れる感じになると思われます。

カットするのが面倒だったこともあり、スライスに変更して作ってみました。スライスでも、ラムの独特の風味は十分でますので、ラム感を感じられます。

野菜たっぷりのメニューなので、この量の野菜を入れていきます。

野菜→肉の順に炒めていきます。野菜に火が通るまで結構かかります。オリーブオイル40CCも入れて炒めているのでそんなに焦げ付かないだろうと楽観視していたらがっつり焦げ付いてしまい、鍋を変えるはめになってしまいました。

具材が煮えたら、調味料・香辛料をどっさり入れて味付けして完成です。

調味料・香辛料で味付けしたのが絶妙においしいです。コンソメ使っていないのに、スープまで飲みたくなります。

なんか物足りないなと思ったら、物足りなくなくなるまで塩を思い切って入れるといいのではないかと思います。

一味唐辛子はかなり控えめにしたので、子供も食べられました。しかも結構気に入っている様子でした。カレーと具材が似ていますしね。

コショーは、あまり減らしてしまうと大人が物足りなくなってしまうので、様子を見ながら慎重に、なるべく多めに入れてみました。

味には大満足

今回紹介した3つ以外にもいろいろ作ってみたのですが、どれもおいしかったです。特に、トマトとクミンの味付けにはまってしまいました。

薬膳レシピ本でよく使われているスパイスと共通するものが多いので、薬膳料理用にスパイスを買っている人はぜひ試してみてください。