お店の外観がマクドナルド系なので、てっきり添加物たっぷりのハンバーガーチェーン店だと思い一度も入ったことがなかったのですが、バーガーキングの看板商品である「ワッパー」には、合成着色料・化学調味料・合成香料・合成保存料などの人工的な添加物を使用しないそうです。
Whopperは、合成着色料、化学調味料、合成香料、合成保存料などの人工的な添加物を使用していません。バーガーキング公式サイト
バーガーキングはアメリカ企業で、アメリカで添加物不使用の流れが大きくなったために無添加に切り替えたそうなのですが、パティだけではなくほかの材料にも無添加というのはすごいですね。
外観で敬遠して一度も食べたことがないという自然派食品好きの人もいるのではないでしょうか? 私も、ハンバーガーを食べるときはモスバーガーかフレッシュネスバーガーを選んでしまっていました。
無添加度が高いのは確かなのだと思いますが、味の方はどうなっているでしょうか?
今回は、バーガーキングとモスバーガーの味を食べ比べしてみました。
バーガーキングの無添加とは?
マクドナルドのハンバーガーは、保存料が入っているので長期間放置しても腐らないといわれています。そういった点が自然派食品好きの人からは嫌われているので、バーガーキングは「うちの商品はちゃんと腐る!」ということをCMでアピールしています。
なまなましいですが、34日放置した結果を早送りで再生し、最後にはかびだらけになっている様子まで映っています。
対象はワッパーのみ
バーガーキングのメニューを見ると、「ワッパー」に分類されるのが12種類で、そのほかのバーガーが12種類あります。
このうち、無添加が明言されているのは「ワッパー」のみです。
バーガーキング未経験だったので、ワッパーってなに?というところからわからなかったのですが、ワッパーとはこういうものだそうです。
バーガーキング® 自慢の直火焼きの100%ビーフパティにフレッシュなレタス、トマト、オニオン、味のアクセントのピクルスをクリーミーなマヨネーズとケチャップで味付けし、5インチのセサミバンズで挟んだバーガーキング® の王道のおいしさを楽しめる看板商品
PR TIMES
一番シンプルな単なる「ワッパー」と、そのワッパーにいろいろトッピングしたもの11種類がワッパーです。ほかのハンバーガーは、チキンフィレやホットドッグなど全然違う種類のものになります。
ワッパー12種類だけでも無添加なのはいいことですが、無添加対象になっていないそのほかのハンバーガー12種類の添加物もどうなっているのか気になりますよね。
これについては公式発表がまだないようなのです。
ワッパーが無添加になったのが2020年のことで、その後2021年に、アメリカのバーガーキングでは「120種類の添加物が全メニューで使用禁止」になりました。
これに関して日本語の情報等がないですし、バーガーキングの公式サイトでも触れられていないようなのです。
日本でハンバーガーを好んで食べるような層にはあまり効果がないからかもしれませんが、日本のバーガーキングは無添加アピールをあまりしていないようです。なので、アピールしていないだけでほかのメニューでは120種類の添加物が禁止されているかもしれません。
ですが、ワッパー以外はそれぞれの国でローカルのメニューが採用されていることを考えると、ワッパー以外はアメリカ本社とは違って添加物は使っているの可能性の方が高いと思われます。
もしコストをかけてローカルのメニューから120種類の添加物を排除していたら、さすがにある程度はアピールするはずですからね。
ユーザーニーズを考えた戦略
バーガーキングの本社があるアメリカでは無添加を好む人が増えていて、ユーザーニーズを考えた上での戦略だそうです。
日本では、添加物はまだ一部の人が気にしているだけのものという扱いなので、アメリカの方が進んでいるのかもしれません。普通の食品が日本よりも添加物まみれなので、それに対する反発も大きかったという事情もあるかもしれませんが、、、。
日本のバーガーキングも、アメリカ本社の方針に従って無添加のワッパーを提供しています。しかし、ユーザーの関心が向いていないジャンルだからか、無添加アピールはあまりしていないようです。
アメリカ本社のように、ワッパー以外のメニューも含めた無添加戦略を進めてほしければ、日本全体で無添加への関心が高まるのを待つしかないかもしれません。
無添加ママはこわいとかうざいとか言われがちなので、無添加が健康にいいと思っても知り合いの前では口に出しづらい空気があるので、なかなか日本では広まりづらそうですよね。
あまりアピールしていない
マクドナルド的な外観をしているバーガーキングと、さわやかな感じ全開のフレッシュネスバーガーだったら、フレッシュネスバーガーの方が添加物が少なそうと思ってしまう方も多いと思います。
日本のバーガーキングは無添加をあまり強くアピールしていないので、バーガーキングの店舗に行ったことがあっても、無添加であることを知らない人もいます。
フレッシュネスバーガーは、工場で調理過程の多くの部分を済ませる「セントラルキッチン」に力を入れている「コロワイド」が親会社なので、添加物はかなり使っていると思われます。一方バーガーキングはワッパーに限れば無添加なので、自然派志向の人にとってはバーガーキングの方がはるかにいいですよね。
もっとアピールすれば自然派志向の人が来るかもしれませんが、バーガーキングの主な顧客層である30代・40代男性と、自然派志向の人の層が全然違うので、積極的なアピールをしていないのかもしれません。
添加物を気にするのは女性ばかりというイメージがあったのですが、消費者庁の統計によってはその傾向ははっきり出ているようです。
ほとんどの年代で女性の方が意識が高いです。男性は全体的に低めですが、その中でも30代・40代・50代の低さが目立ちます。
「無添加⁼高い」というイメージもありますし、むしろアピールしない方がいいという事情もあるのかもしれません。
バーガーキングとモスバーガーを食べ比べ
比較するのは、バーガーキングの「ワッパー」(左)とモスバーガーの「モスバーガー」(右)です。
添加物が多そうなものは、全体的に普段食べているものと違う味がするので気づくこともありますが、添加物自体が味で判別できるわけではないので、気づかないこともあります。
今回はうまみ成分のアミノ酸も無添加ということだったので、味の面での違いは感じやすかったです。
原材料のシンプルな味
バーガーキングによるワッパーの説明は、「直火焼きの100%ビーフパティにフレッシュなレタス、トマト、オニオン、味のアクセントのピクルスをクリーミーなマヨネーズとケチャップで味付け」というものなのですが、本当にこの通りの味がします。
モスバーガーの場合は、いろいろな味付け要素が入っていると思われる「モスバーガーのミートソース」の味がしますが、バーガーキングは、「マヨネーズとケチャップと素材」の味がします。
よく言えばシンプルな味なのですが、個人的には物足りない感じがしました。
無添加ということは当然、外食では多く使われるうまみ成分のアミノ酸も入っていないです。アミノ酸添加ありの味の濃い食事に慣れると、アミノ酸が添加されていない食事がおいしく感じなくなると言って批判されているそうですが、まさにそうなってしまっているのかもしれません(笑)
モスバーガーの場合は、ソースの味が強くてパティの味はよくわからないのですが、バーガーキングは味付けがシンプルな分肉のおいしさは強く感じられました。
食べ比べに参加した我が家のおじさん(夫)は、バーガーキングの方が肉の味がおいしいと言っていたので、味付けを楽しみたいか素材を味わいたいかの好みで、好きな方が分かれるのかもしれません。
強い炭火焼き感
最初に感じるのは、強い「炭火焼き感」です。
結構強い炭火焼き感があるので、ワッパーが無添加だということを知らない状態だったら、添加物が入っているのでは?と思ってしまっていたと思います。
竹炭パウダーなどをふりかけて人工的に炭火焼き感を強くする商品があるそうなので、炭火焼き感が強いとこういう添加物を使っているのではという疑惑ですね。
しかし、ワッパーは添加物なしなので、少なくとも添加物で炭火焼き感を出しているわけではなさそうです。
食べると、炭火焼きっぽい印象なのですが、公式サイトによると炭火焼きではなく「直火焼」だそうです。
ピクルス感が強い
一応野菜も、メニュー画面の写真と比べても詐欺的ではないくらいの量は入っています。
ただ、生野菜と一緒に入っているピクルスの存在感が強いです。
このため、食べた瞬間の味が、「フレッシュな野菜」というよりは「マクドナルド風」に感じてしまいます。
じっくりねっとり研究するつもりで食べると、素材から想像される味しかしないので無添加ということにも納得できるのですが、気軽に食べただけだと「添加物たっぷりのアメリカハンバーガー」という印象を持ってしまうかもしれません。
ピクルスは自分では買ったことがないので詳しくないのですが、保存食系は添加物多めのイメージがあるので、ピクルスもちゃんと無添加なのか気になりました。
が、調べた範囲ではバーガーキングのピクルスの原材料がどうなっているかまではわかりませんでした。メーカーは、「Hausbeck」という会社のものだそうです。
ピクルス製品全般を調べてみたところ、ピクルスは酢漬けなので保存に向いていて、普通のメーカーでも保存料系の添加物は入っていない製品が多かったです。しかし、香料は入っていることが多く、着色料が入っているものもあります。香料・着色料だけなら、単に入れなければいいだけなので技術的には無添加にしやすいのではないかと思います。
ピクルスは香料が使われている輸入品のものが多いので、国産野菜・無添加のピクルスだと、おしゃれなパッケージの贈答用ピクルスが中心になるようです。
値段はモスバーガーと同程度
バーガーキングは、一番シンプルなワッパーでも590円で、一番高い「ダブルメキシカン アボカドワッパー」は1170円です。マクドナルド的な見た目に反して、特に安くはないハンバーガーチェーン店です。
しかし、一個のサイズが大きく、モスバーガーの1.3倍くらいです。
モスバーガーの値段が440円なので、1.3倍にすると572円になり、ちょうど同じくらいの値段になります。
無添加好きの方は、モスバーガーよりもバーガーキングを選ぶといいかもしれません。
無添加でも行きたい気持ちにはならない
食べ比べしてみた結果、おじさん(夫)はバーガーキングの方がおいしく感じたようです。
バーガーキングは店舗が少ないので、おじさんは価格帯を知りませんでしたし、積極的にアピールされていないので無添加であることも知りません。
食べ比べの趣旨はモスバーガーがおいしいということ証明することだと思っていたようなのですが、公平に食べ比べてみた結果、バーガーキングがおいしいという感想が出てきました。
しかし、私は個人的にあまりおいしく感じませんでした(笑)
フレッシュネスバーガーのクレープ対応店舗で、バーガーとクレープ、レモネードを注文するのが好きだったのですが、今後もそちらに行くと思います。男性がメイン客層のバーガーキングと違ってお店もおしゃれですしね、、、。
親会社がコロワイドでも、添加物が入っていても、トランス脂肪酸が入ったホイップクリームを使っていても、レモンに防腐剤がかかっていても、たまにはいいじゃんという気持ちです。
フレッシュネスバーガーは「国産野菜」をアピールしていますが、国産なのは生野菜のみで、レモンはチリからの輸入品です。なので当然防腐剤が表面に塗られていると思います。そのレモンを液体につけたものを生で飲む、、、と考えるとおそろしい気もしますが、まぁたまにですからね。
ほかの自然派志向の方の好みはわかりませんが、ガチガチ自然派の母と姉も、「あえて食べるならフレッシュネスバーガー」と言っているので、特に女性にはフレッシュネスバーガーの方が好まれる傾向があるのではないかと思います。
残念ながら、無添加だからバーガーキングに行こうという気分にはならない味でした。自然派的にはNGな要素が盛りだくさんなことに目をつぶってフレッシュネスバーガーに行くか、ハンバーガーチェーン店にそもそも行かないか二択ですね。
人によってはすごくおいしく感じるようですので、気になる方は一度食べてみてリピートするか考えるのをおすすめします。