Yahoo知恵袋に、中国産のみかんの缶詰が危険なのではないかと心配する投稿が掲載されていました。
中国産のみかんの缶詰 食べますか? 最近なにかと騒がれる中国産ですが、今までよく食べていたみかんの缶詰、安いやつは中国産なんですね・・・ いまさらですが、どうなんでしょう。みかんの缶詰って薬を使って皮をむくんですよね。 国産でもおなじかもしれないけれど、値段はぜんぜん違いますよね。 他にも桃とかも裏を見ると中国産でした。 みなさんは食べますか?
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確かに中国産の食品には問題があることが多いですが、きちんと管理して製造しているメーカーもあるかもしれませんし、一概に中国産だから危険だとは言えないでしょう。
この記事では、中国産のみかんの缶詰の安全性について紹介します。
国産・中国産ともにみかんの缶詰には塩酸を使用
みかんの缶詰は、みかんの内皮をむくために、理科の実験などで危険な薬品として扱われている「塩酸」を使用しています。
このため、一部の方はみかんの缶詰が危険なのではないかと考えているようです。
しかし、塩酸は「中和」という反応で安全な物質に変わり、さらに水洗いもされているので、販売されているみかんの缶詰には塩酸は残留していません。
大きな事故はなし
食品は基本的に農家さんからの取り寄せか生協という気合の入った自然派ママの家庭で育ったため、みかん缶に塩酸が使用されているということを知ってからすでに30年近く経過していますが、その間中和されているはずの塩酸が残留していた事件などは特に話題になっていないようです。
今後もずっと事故が起きないとは限りませんが、過去に問題が起きていないことから考えると、みかんの内皮むきに塩酸が使われているからといって、そこまで心配する必要はないでしょう。
スーパーなどの買いやすい場所で売られているみかん缶はほとんど塩酸を使用していますので、その点で国産と中国産に違いはありません。
塩酸を使用しているかは原材料からはわからない
みかんの缶詰の内皮むきにどの薬品を使っているかは、原材料表示からはわかりません。
原材料表示に「クエン酸」と書いていることもありますが、これは酸味料として添加されているものなので、内皮むきの薬品のことではありません。
塩酸を使用していない場合は、パッケージや企業の公式サイトでアピールしていることが多いので、そちらを確認してください。
塩酸不使用のみかんの缶詰はレア
塩酸を使っているということで、なんとなく怖がられていますが、実際の事故は起きていないため、塩酸不使用のみかんの缶詰は非常に数が少ないです。
みかん缶の代わりにクエン酸を使うものや、酸性の強い果汁を使ったりそもそも内皮つきをむいていなかったりして薬品自体を使用していないものなどがあります。
塩酸の代替品を使って向ている商品は、やはり溶かす力が弱いので食感としてはドロドロとした皮が残っている感じになりあまりおいしくないです。
国産と中国産のみかんの缶詰の違い
近所のスーパー2店で売っていたみかんの缶詰のうち、中国産はどれぐらいあるのか調べてみました。
商品名 | 産地 | 100グラムあたりの値段 | 原材料 |
トップフード みかん缶 425g | 中国 | 37円 | 不明 |
三洋通商 みかん 4号缶 (425g) | 中国 | 40円 | みかん果肉、ぶどう糖果糖液糖、砂糖、こんにゃく粉/ゲル化剤(増粘多糖類、CMC)、酸味料、香料、酸化防止剤(V.C)、メチルセルロース |
はごろもフーズ 朝からフルーツみかん 190g | 中国 | 76円 | みかん(中国)、糖類(ぶどう糖果糖液糖、ガラクトオリゴ糖)、クエン酸、香料、甘味料(スクラロース、アセスルファムK) |
はごろもフーズ 甘みあっさりみかん 180g | 中国 | 128円 | みかん(中国)、ぶどう糖果糖液糖、オレンジ濃縮果汁 / ビタミンC、甘味料(ステビア)、香料、クエン酸 |
カンピー 国産大粒みかん | 国産 | 188円 | みかん(国産)、砂糖・ぶどう糖果糖液糖/酸味料 |
はごろもフーズ 国産みかん 295g | 国産 | 108円 | みかん(国産)、砂糖・ぶどう糖果糖液糖 / クエン酸、香料、糖転移ビタミンP |
SSK みかん(国産)425g | 国産 | 100円 | みかん、難消化性デキストリン、砂糖、エリスリトール、酸味料、香料、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセルファムK、スクラロース) |
中国産の方が多めですが、国産も何種類か取り扱いがあるスーパーもあります。
国産みかん缶の価格は100グラム100円以上
国産のみかん缶と中国産のみかん缶だと、お値段は100グラムあたり100円以上になるようです。(都内イオン系スーパー)
一方、中国産のみかんの缶詰は100グラムあたり37円から販売されていて、お値段はかなり違います。
ただ、激安のみかんの缶詰になると、缶の質も明らかに安っぽくなりますので、少し買うのを躊躇してしまうかもしれません。
中国産には添加物もかなり入っている
缶詰系は、スーパーで売っているものでもあまり添加物が入っていないこともあるのですが、みかんの缶詰は安いものには割とがっつり添加物が入っています。
特に気になるのは人工甘味料ですが、そのほかにも香料などが入っています。
この添加物も、国産のみかんの缶詰と比較するとやはり中国産の方が多く入っている傾向があるようです。
添加物については中国産か国産かとは直接の関係はありませんが、やはり中国産は価格を気にする人が購入しているので、コストカットのために添加物を使用しているのだと思われます。
内皮むきに使われている塩酸では大きな事故は聞いたことがないことを考えると、塩酸よりも添加物の方が気になります。
中国産みかんの缶詰を避けたいときは?
スーパーでみかんの缶詰を購入するときは必ず国産を選んでいましたが、大きなスーパーだと1種類は置いてあることがほとんどだと思います。「はごろもフーズ 国産みかん」はよく見かけます。
スーパーによくある「はごろもフーズ 国産みかん」
中国産がいやな方は、普通のスーパーにもよく売っているはごろもフーズのものが買いやすいです。
原材料は「みかん(国産)、砂糖・ぶどう糖果糖液糖 / クエン酸、香料、糖転移ビタミンP」となっていて、香料は入っていますが、スーパーで売っているほかのみかん缶と比較するとシンプルです。
デパートによくある「明治屋 フルーツマーケット」
スーパーではあまり見かけませんが、デパートなどでは、「明治屋 フルーツマーケット みかん」が売っていることもあり、こちらも国産です。原材料は「みかん(国産)、砂糖・ぶどう糖果糖液糖/酸味料」となっており、香料が入っていない分はごろもフーズのものより無添加寄りになっています。
COOPのみかん缶
店舗型の生協でよく扱われているCOOPブランドのみかんの缶詰も、国産みかんです。
出典)CO-OP
原材料も「みかん(国産)、砂糖・ぶどう糖果糖液糖/酸味料」となっていて、香料なしのシンプルなものです。
生協はそれぞれ取り扱い商品が異なるので、生活クラブなどは独自のみかん缶(内皮むきに塩酸の代わりにクエン酸を使用)を販売しています。
店舗型の生協は近所のスーパーと競合しないといけないためか、「日本生活協同組合連合会」が製造していて全国で販売されている、比較的安めのCOOPブランドを置いてあることが多いので、近所に生協がある方は、このCOOPブランドのみかんの缶詰が購入できる確率は高いです。
ちなみに、最近はオイシックスなど、生協のように素材にこだわった食品を販売している宅配食材メーカーも多いですが、生協と比べると商品数は少ないので、みかんの缶詰などはあまり見かけません。
「中国産のみかんの缶詰=危険」ではない
内皮むきのための塩酸は国産みかんでも使用されているので、中国産のみかんの缶詰がすべて危険というわけではありません。
ただ、スーパーで実物を見てもわかる通り、容器の質も悪いですし、中国のメーカーが製造したものをそのまま輸入していそうな販売元の場合は少し不安が残りますよね。
毒入り餃子事件のような、食べて即健康被害が出るようなことが起きる可能性は低いと思いますが、残留農薬なども心配です。
一方、企業のプライベートブランドのみかん缶に中国産のみかんが使われている場合は、どのようにみかんを栽培しているかなども管理が入っているかもしれませんし、商品によっては危険性は低いかもしれません。
結局のところ、表示義務のない安全性についてはわからない部分が多いので、心配な方は農薬の使用基準なども国内法で明確にわかりますし、少しコストが上がっても国産のみかんの缶詰を選んだ方が安心です。