創健社などの自然食関連のアカウントをいくつかフォローしていたので、関連ツイートとして「本坊農園」という無農薬系の農家さんが、ツイッターで謝罪文を出しているのを見ました。
「遺伝子組み換えトマト」が流通しているかのような発言をしてしまったことに対しての謝罪だそうです。
— 【本坊農園】農薬・化学肥料不使用 (@motobou_nouen) June 23, 2023
日本では、遺伝子組み換え農産物は商用として流通してません。
単なる勘違いだったのなら、軽く訂正すればいいだけの話に見えますが、その前後の発言や、口調などが反感を買っているようです。
この記事では、本坊農園が炎上した理由などについて紹介します。
本坊農園が批判される理由
本坊農園が批判される理由は、主4に点あるようです。
・口調に問題がある
・優良誤認させている
・ほかのユーザーの発言を切り取って批判
・有機JASを取得していない
口調に問題がある
本坊農園は、ご両親が52年農家をやっており、娘さんがツイッターで発信をしているそうです。
娘さんの発言と思われる、「遺伝子組み換えトマト」の発言が、「自分だけが事実を知っていると匂わせて立ち去るような、人を小馬鹿にした演出までする不誠実さ」と批判されています。
誤解…?
— 千葉農園 (@farm_chibachiba) June 23, 2023
この場合、「遺伝子組み換えトマトは流通している」と言いたかった訳ではないけど、そう伝わってしまう表現だった場合に使える言葉です。
事実、明言しています。
その上、自分だけが事実を知っていると匂わせて立ち去るような、人を小馬鹿にした演出までする不誠実さです。
(続) https://t.co/jZzLL6fYyu pic.twitter.com/Up6mAO7UGg
確かにこの発言の仕方、しかも内容が事実ではないとしたらかなりイラっとはしますね(笑)
ツイッターユーザーにはこんな話し方の人は普通にいますが、公式Twitterやってはダメですよね。
ツイッター運用の仕事をしたことがありますが、ツイッター運用って、何気ない一言が炎上につながったりするので、かなり怖いものなんですよ。
新製品の発売情報などの単なる情報発信は比較的リスクが低いですが、「中の人」といわれるような、担当者のキャラを出すような発信方法だと、とてもリスクが高いです。
なので、ダブルチェックなどのしっかりしたリスク管理ができる体制が整うまでは、安全のために個性は出さない方が無難です。
小規模の農家さんだと、そこまで考えられなかったのかもしれませんね。
優良誤認させている
日本では、遺伝子組み換え農作物の商業的な流通は認められていません。なので、日本産である限りどこの農家も遺伝子組み換えではないはずなのですが、本坊農園は自社製品に「遺伝子組み換えではない」とアピールしていたようなのです。
そのことが「誇大広告」であったり、「ほかの農家の商品と比較して優れていると誤認させようとしている」と批判されているようです。
問題なのは、市価の数倍以上の値段で取り引きされてる商品が、極端にプレミアムなトマトやお米と言うアピールのもと、誇大広告と遺伝子組み換えトマトが他の農家で沢山作られている様に発言があった事が問題です。
— M’s Farm (@marsh3na) June 23, 2023
個人的には、トマトもお米も無農薬、化学肥料不使用で作っているとは思ってません。 https://t.co/v98uXd6VVk
商品の原材料表示に、「遺伝子組み換えなし」と書かれているものがありますが、特に輸入品が多い大豆などが中心です。国産はそもそもすべて遺伝子組み換えなしなので、書かれないことが多いです。
国産の農産物なら当たり前に遺伝子組み換えなのにわざわざアピールしているため、「騙そうと思っている」とみられてしまうこともあるようです。
>遺伝子組み換えではありません
— Kame Ron Diaz(San Diego出身) (@kamesan1959) June 22, 2023
プロだろうから、この表示はあり得ないと承知しているんだろうな。騙そうと思っているんだろうな。
日本のどこに遺伝子組み換えトマトがあるんだ?https://t.co/dg48XSXs1w
全体を通してみると、だまそうとしているというよりは単に無知だっただけに見えますが、企業の公式アカウントの発言であれば、このように批判されるのも仕方ないですね。
ほかのユーザーの発言を切り取って批判
すぐには発言を訂正せず、批判してきた人のツイートを切り取ってさらしていたことも、イメージ悪化につながっているようです。
また、今後は有料のサブスクリプションで発言すると発表していることも、炎上を機にさらに儲けようとしていると反感を買ってしまったようです。
困ったことに、このようになります🫠
— 【本坊農園】農薬・化学肥料不使用 (@motobou_nouen) June 21, 2023
本坊農園は知らないうちに遺伝子組み換えの作物を知らないで栽培している可能性があると仰っております。
そして、デマや詐欺だと言われます。
農家さんだと思いますが、私は残念に思います。
サブスクリプションで発言したいと思います。通りますように🙏 pic.twitter.com/GZp5cSi8my
日本の制度上一般的には流通されていないということは調べればすぐにわかるはずなのですが、なぜかなかなか訂正をしなかったようです。
日本にも遺伝子組み換えトマトが既に流通している!等のデマを一向に引っ込めず、デマだと指摘する農家さんを誹謗中傷していたデマ坊さん、とうとう謝罪。
— 兜@カジュアル生活保護 (@sabotenkabuto1) June 23, 2023
いや何も謝ってへんがなw
こういうのがオーガニックとか特別栽培農産物を「怪しげなもの」にしている。
堂々と事実だけを主張すればよいのに。 https://t.co/r3Ons4B2WA
有機JASを取得していない
商品の品質について過激なことを言っているにもかかわらず、本坊農園が有機JASを取得していないことも批判されているようです。本当に無農薬栽培なのか証明できないということですね。
無農薬の野菜宅配サービスの坂ノ途中のお試しセットを購入したときに初めて知ったのですが、有機JAS認証を取得するのはかなり大変らしく、小規模な農家さんでは、無農薬栽培をしていても手続きや費用の負担の関係で取得できないことがあるそうです。
本坊農園も規模の関係でできないのであれば批判されてしまうのは気の毒にも思えますが、そのような観点からの批判もあるようです。
輸入品で遺伝子組み換えを口にしてしまう可能性
スーパーなどで売っているトマトはほとんどが国産なので、遺伝子組み換えではありません。
問題になった本坊農園のツイッターは、ほかの農家さんが遺伝子組み換え作物を栽培しているかのような発言だったので問題になりましたが、「知らずに遺伝子組み換えを口にしている可能性があるかないか」で考えると、全くないとはいえないのではないかと思います。
ハンバーガーチェーン店の無添加・国産野菜の使用の有無を調べたところ、生野菜は基本は国産ですが、緊急時の輸入先として外国産を使用しているところがかなりありました。
トマトは生トマトだけではなく、加工品に輸入品が使われていますしね。
しかも、遺伝子組み換え問題はトマトに限らず、外国産にはすべてリスクがあるともいえるので、産地のわからない外食はしない、すべて国産の野菜を購入する、などかなり気を付けないと、知らずに口にしてしまっている可能性は高いのではないかと思います。
味はおいしいとの声
今回の本坊農園の発言は明らかに企業としてまずいものですが、「味はおいしいので今後に期待する」という応援の声もあるようです。
謝罪されているのだから ここから先は消費者が生産者を選ぶだけ。。
— ももお。 (@momo_7197178) June 23, 2023
本坊農園さんのほうれん草の味、忘れられない。茎まで美味しく食べた😋
どの仕事でも色々ありますよね😅
今まで長年、無農薬無化学肥料で大変な思いをしながら、安心安全な野菜を消費者に届けてくださり、ありがとうございます✨✨ https://t.co/ao2QMNH8Mf
本坊農園のファンからは、「農薬を使っている他の農家からの妨害」との見方もあるようですが、今回のツイッターでの騒動で初めて本坊農園の名前を知った私から見ても本坊農園のミスだと思いますね。
ちなみに、本坊農園は野菜6点セットで¥4,600円とかなりお高いです。1つ1つのボリュームがあるというわけでもなさそうなので、純粋に高いです。
すごくおいしいんでしょうか、気になります。
出典)本坊農園