自然食

無添加で育った子供はどうなる? 独自路線に向かった姉の話

「無添加ママは子供がかわいそう?元子供目線でかわいそうかどうかを検証」の記事では、無添加ママ(自然派ママ)に育てられた自分が大人になってどうなったかを書いてみました。

今回は、同じように無添加ママに育てられ、現在も実家で同居している姉がどうなったかを紹介します。

デパ地下・漢方・化粧品など、姉は母とは違う独自路線で自然派になっています。母も姉も自然派志向ではあるのですが、よく見ると考え方には少し違いがあるようです。

無添加で育った子供(姉)がデパ地下マニアに

自然派食品って意味あるの?と思っている方もいると思いますが、味は普通においしいものも多いです。

例えば普通の親子丼でも、自然派志向の強い家庭ではこのような材料で作られることもあり、普通の親子丼よりもおいしいです。

  • 平飼い有精卵の高い卵
  • 農場直送の無農薬栽培野菜
  • 若鶏よりうまみが強い親鶏スライス
  • 顆粒ではなく乾物から煮出しただし

無添加で育った子供は味にうるさく育ちやすいかもしれません。

姉もおいしいものが大好きで、仕事帰りによくデパ地下に寄っておいしいものを探しています。

最近みつけたおいしいものを紹介してくれるのですが、確かにおいしいです。

自分では作らないのでデパ地下

自然派ママに育てられた姉ですが、母親との違いは、「自分で作ることにはこだわらない」ことです。お店で売っている中でおいしいものを探しています。

姉は料理は上手ですし、日常の料理は作っていますが、作るのはあくまで節約のためのようです。フルタイムで働いているので時間がないのもあると思いますし、考え方の違いもあると思います。

母親はおいしい・おいしくない以前に「自分の手で作ること」を重視していました。いまだにあまり理解できないのですが、「自分の食べるものを自分で作ることは、人間がずっとやってきた当たり前のこと」的な哲学的な考え方に基づいているようです。

姉はそのような考え方は受け継がなかったので、おいしいものがあれば買って食べています。

親と同じことをしろという教育方針ではなかったので、母親は味噌・マヨネーズ・お茶の葉っぱまで手作りでしたが、姉はそういうことは一切しません。

このあたりは、親が自分と同じ考えを持つことを子供に求めるかどうかの違いが影響しているような気がします。

高い店限定で買えば添加物は気にしなくてOK

もう一つの姉の特徴は、市販の食品の添加物をあまり詳しくチェックしていないことです。妹の私の方が、パッケージ裏の添加物は気にしていると思います。

姉は、添加物はとらない方がいいとは考えているようですが、どの添加物がどう、どれなら大丈夫、などと考えることにはあまり興味がないようです。

他のことに時間を使った方がいいと思っているのかもしれません。

そのため、「自然派生協(グリーンコープ)とデパートでしか食品を買わない」というコスパ度外視の方法をとっています。

この2か所でしか買わなければ、適当に商品を選んでも危険な添加物を口にしてしまう可能性は低くなります。

デパートは自然派を目指しているわけではないのですが、値段が高ければ高いほど添加物がゴテゴテ入っている確率は減ります。

東洋経済オンラインに掲載された、「平気で「ジャム」を買う人が知らない超残念な真実」という記事がおもしろかったです。

「イチゴ」「グラニュー糖」「レモン汁」の3つだけで自宅でも作れるはずのジャムに添加物が入っている理由について、安い材料で置き換えていくから添加物が増えるのだと解説しています。

【添加物による置き換え①】イチゴを減らした分「固さ」「とろみ」が足りないから、「ゲル化剤(ペクチン)」「増粘多糖類」を加える

【添加物による置き換え②】イチゴを減らした分「酸味」が足りないから、「酸味料(クエン酸)」を加える

【添加物による置き換え③】砂糖を減らした分「保存性」が失われるから、「pH調整剤」を加える

イチゴジャムに限らず、天然素材でも作れるものに添加物を入れる理由は、コスト面の問題であることが多いです。「添加物を入れた方がおいしくなるから」という理由ではないので、デパートなどで売っている高い商品は、添加物があまり入っていない確率が高くなります。

無添加で育った子供(姉)が漢方にはまる

母親が熱心な自然食信者になった一因でもあるのではないかと思うのですが、姉はとても虚弱体質です。

妹の私が、激務で1日12時間くらい働いても土日に半日寝ると午後には遊びたくなってくるのに対し、姉は定時帰りのそこまで忙しくない仕事でも土日2日とも寝込んだりしています。

本人的にも悲しいのではないかと思うのですが、いろいろやっても改善されないのです。

妹である私とほぼ同じ生活をしていた子供のときからそうだったので、生まれつきとしか考えられないですよね。

こういう、特にどこが悪いとは言えない虚弱体質は病院では治らないのです。そのため、少しでも元気になるようにと考えたのだろうと思いますが、成人後なぜか漢方に詳しくなっていました。

このあたりは、無添加ママの影響も受けていそうです。

子供のころから民間療法中心だった

無添加ママだった母親は特に漢方には詳しくなかったので、漢方は姉の独自路線ですが、実家では市販の薬は基本的にNGで民間療法が基本でした。

病院や市販薬は、効き目が強すぎて体の自然治癒力を低くするという理由で避けられていて、かぜをひいたときは卵酒、けがをしたときは、アロエ、蚊に刺されたときはびわ焼酎、という感じで、さまざまな民間療法が取り入れられていたのです。

怪しい大型器具もありました。

試してみるとわかりますが、一定程度は効果があるものも多いです。そういう生活をしてきたことが、姉が漢方に興味を持つきっかけになったのかと思います。

専門店の漢方は高い

ちなみに、専門店の漢方は高いです。

漢方といえば、クラシエの商品などが薬局にも売っていますよね。

しかし、漢方専門店に行くと、こんなお値段では済まないお高い漢方が売っているのです。

漢方専門店は、小さいお店が多いです。都心だと、雑居ビルの中にひっそりと入っています。

「イスクラ」という会社の、パンダのマークの漢方が有名らしいです。

そしてこちら、、、原則店舗でしか売っていないので値段もお店に行かないとわからないのですが、90日分9000円くらいのことが多いようです。1日100円分ですね。

少し体調を崩したときに姉が漢方薬局に連れて行ってくれたのですが、担当の方(漢方の薬剤師的な人)がいろいろ症状を聞いてくれたあと、1日あたり100円の漢方を2種類提案されました。

毎日続けるには、かなりお金がかかるようです。

無添加で育った子供(姉)は自然由来の化粧品を使う

帰省するときは姉の化粧品を使わせてもらうのですが、自然由来の成分が多い「草花木果」というメーカーの化粧品を使っています。

普通のメーカーのものと比べると、草花木果はつけたら即肌がうるおう感じはしないですが、そのマイルドな感じが姉は気に入っているそうです。

化粧品を無添加にすることは難しい

化粧品を無添加にすることはとても難しいです、というかほぼ不可能です。

化粧水くらいのシンプルなものならできますが、ファンデーションとかは無理ですね。

実家では、母親は基本的に化粧はせず、化粧水として「へちま化粧水」が置いてありました。

さすがに何か混ぜてるだろうと思いましたが、原材料を調べてみると、この美百水などは、成分がへちま100%らしいです。しかも有機栽培です。

自然派的には文句なしの優良成分なのでしょうが、しかしさすがに使ってみると化粧水が効いている感はないです。

なので、無添加ママの選択肢としては、化粧そのものをシンプルにして無添加生活を貫くか、化粧はあきらめて大手メーカーの製品を使うか、なるべく天然素材成分で作られた化粧品を買うか、のどれかになるかと思います。

自然由来の成分とは?

草花木果の「化粧水(さっぱり)」の成分は以下のようになっています。化学物質もそれなりに入っていますが、植物由来の原料が多いです。

水、BG、グリセリン、エタノール、メチルグルセス-20、ペンチレングリコール、ユズ果実エキス、コメ胚芽油、ソメイヨシノ葉エキス、モウソウチクたけのこ皮エキス、ユズ種子油、温泉水、グリシルグリシン、ベタイン、ポリクオタニウム-61、PEG-60水添ヒマシ油、フェノキシエタノール、ヒマシ油、クエン酸Na、クエン酸、トコフェロール、香料

一方、スーパーでも売っている資生堂・アクアレーベルの原材料はこのようになっています。種類も多いし、すべて化学物質ですね。比較してみると、たしかに草花木果は自然派であることがわかります。

トラネキサム酸*,グリチルリチン酸ジカリウム*,精製水,ジプロピレングリコール,1,3-ブチレングリコール,濃グリセリン,ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル,ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(4)ジメチルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル,クエン酸ナトリウム,メタリン酸ナトリウム,クエン酸,ヒドロキシエチルセルロース,酢酸DL-α-トコフェロール,ピロ亜硫酸ナトリウム,DL-アラニン,グリシルグリシン,アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム,ヒアルロン酸ナトリウム(2),D-グルタミン酸,キイチゴエキス,DL-メチオニン,水溶性コラーゲン(F),フェノキシエタノール  *は「有効成分」無表示は「その他の成分」

また、草花木果は、商品ごとに無添加にしてある原料が明記されています。「化粧水(さっぱり)」だと、「パラベン」「合成香料」「紫外線吸収剤」「タール系色素」「鉱物油」が不使用になっているそうです。

普通の化粧品と比べると、悪く言えば効果が低いですし、よく言え刺激が少なくてお肌に優しいのかなと思います。

基礎化粧品以外は大手メーカーの商品

姉は基礎化粧品は草花木果なのですが、ポイントメイクは普通の大手メーカーのものを使っています。

体に悪い成分が入っている可能性があるのは承知の上で、母親の持っている生協系のメイク用品の微妙さをよくわかっているので、あえて使わないのだと思います。

肌に広範囲に塗る基礎化粧品と、あとはファンデーション系を自然派化粧品にすれば、ポイントメイクくらいは多少有害物質が入っていても影響は少なくなります。

そのようにしている姉の化粧は、ぱっと見は全然普通です。

無添加で育った子供(姉)は無添加お菓子に詳しい

かなりお高いので自分では買わないのですが、よく姉が無添加お菓子の「スナックミー」のギフトを送ってくれます。

デパ地下マニアでもありますし、お取り寄せお菓子マニアでもあるようです(笑)

無添加お菓子のおいしさは子供でも分かる

母親が無添加ママだったので、家にあるお菓子は、生協のお菓子か、洋菓子専門店のお菓子のみでした。

無添加ポテチなど味が微妙な無添加おやつもあるのですが、おいしいものはスーパーのお菓子より格段においしいということが、子供の舌でもわかります。姉がお取り寄せお菓子マニアになったのは、こういう経験も影響していると思います。

https://natural-food.site/%e3%81%be%e3%81%9a%e3%81%84%e3%83%9d%e3%83%86%e3%83%81/

例えば、実家ではたまにプリンを食べるときは基本的にモロゾフのプリン(無添加)でしたが、スーパーのプリンとは全然味が違います。

生協で取り扱いのあるおやつはまずいことが多いですが、麻花兒(マファール)とかはかなりおいしいですね。

このシンプルな原材料で、すごくおいしく仕上がっているので、食べたことがない人はぜひ試してみてください。普通のやつとソフトタイプがあるのですが、結構固いので、固いのが苦手な人はソフトの方がいいかもしれません。

小麦粉(小麦(九州産))、砂糖、なたね油(原料の菜種は遺伝子組換えでない)、食塩

無添加ママでも子供が反発するわけではない

親の干渉度合いによりますが、親は親、子供は子供と考えている親であれば、無添加ママ(自然派ママ)だったとしても特に悲惨なことにはなりません。

「食に関することをなるべく自分でやる」というのが母親のポリシーだったらしく、実家は子供のころ電子レンジ・食洗器・炊飯器NGでした。

炊飯器NGだとお米は圧力鍋で炊きます。①米を水につけて水を浸透させ、②圧力がしっかりかかるまで強火にし、③十分圧力がかかったら弱火にし、④その後圧力が抜けるまで待つ、という面倒な工程を毎日する必要があります。

しかし、姉が実家住みのまま働き始めて家事を分担するようになってから、さすがに不便すぎるということで交渉したらしく、電子レンジ・炊飯器が導入されていました。食洗器はまだ反対されているそうです。

自然派御用達のせっけん洗剤メーカー、しゃぼん玉も食洗器用の洗剤を出しているので、合成界面活性剤が嫌でも食洗器は使えるんですけどね。

ゴリゴリの自然派ママをやっていても、必ずしも大人になった子供が反発するとは限りませんので、心配していた自然派ママは安心してください。

考え方を押し付けるなどの、自然派とは関係なく一般的にやったらまずいことをやらなければ大丈夫です。押し付ける必要はなく、ただおいしい素材のお料理を出していれば、自然と子供も自然派食品が好きになると思います。