ゴリゴリの無添加ママ(自然派ママ)に育てられた子供だったので、嫌な思いをしたこともあります。しかし、いろいろ考えた末に自分自身もライトな無添加ママになることにしました。
子供が将来反抗するんじゃないかとか、反動で添加物の入った食事ばかりを食べて生活習慣病になるんじゃないかと心配な方もいるようですが、必ずそうなるとは限りません。
この記事では、子供の反動が心配な無添加ママ向けに、やってはいけないことと、逆にやった方がいいことを3つずつ紹介します。
やってはいけないこと
まず、やってはいけないことを3つ紹介します。
ご近所さんとのトラブルを起こす
無添加ママ(自然派ママ)に対して、「うざい」とか「こわい」などの印象を持っている人は多いようです。
ご近所のママとトラブルを起こしてしまうと、子供同士の人間関係にも影響することがありますので、それはやめた方がいいです。
子供同士で遊んでいてちょっと添加物入りのお菓子を分けてもらったようなときに、断固断るようなことをしてしまうとトラブルが起きやすくなります。
確かに子供は体が小さいので添加物の影響は大きく、なるべくなら食べさせたくないという気持ちもあるかもしれません。でも、「親がご近所とトラブルを起こした、それによって自分が学校などですごくいづらくなった」という経験をさせてしまうと、最悪成人になってからも引きずります。
子供の心の健康のためにも、ある程度例外を認める気持ちを持つことがおすすめです。
ちなみに私は市販のお菓子くらいは平気で食べさせますが、外国人のご家族から、「日本には売っていない、クチュクチュするガムみたいなお菓子」をもらったときは、食べさせる際にかなり躊躇しました。
英語ではない言語だったので原材料はわかりません。しかし、「クチュクチュする」という食感を添加物なしで再現するのは難しいと思われるので、相当な添加物が入っていると思われるものでした。
食べさせるのを面と向かって断るという選択肢はないと思っていたので、流れ次第では食べさせる覚悟をしつつ、ノロノロとパッケージを開けて時間稼ぎを試みました。そうしているうちに、子供が走って場所を移動したので、自然な流れでクチュクチュおかしはかばんに入れられましたので、結局食べませんでした。
よく会う人に何度もやるとさすがに察されると思いますが、面と向かって言うよりはまだ角が立たないかなと思います。
服・薬までこだわる
食べ物だけの自然派志向だったらまだいいのですが、服は綿100%のみ、とか、薬は体の自然治癒力を低くするから使わないといった信念を持っている人もいます。
綿100%縛りは、ほかの子と比べても違和感ない見た目のものを探すのなら問題ないですが、綿100%縛りルールのために見た目がダサくなってしまうと、子供目線では結構困ります。
「よそはよそ、うちはうち」に納得できるのはだいぶ大きくなってからなので、小さいころはほかの家と違うというのが気になってしまいます。
薬も、完全NGにしてしまって子供が苦しむと、自然派生活に嫌なイメージがついてしまうリスクが大きくなります。
自然派生活以外の費用をケチる
全体的にお金持ちのご家庭だとこの問題は起きませんが、自然派食品は基本的に高いので、普通のご家庭が自然派食品にこだわると、そのほかの部分にかけるお金が少なくなります。
自然派にこだわった生協の食品だと、どの商品もスーパーの1.5倍はする印象です。
その費用を捻出するために、自然派生活以外の費用を節約しすぎると、子供からの印象が悪くなってしまう可能性もあります。
私の場合高校生のときから奨学金を借りていました。ずっと自分の家はびんぼうだと思っていたのですが、奨学金手続きのために親の年収を記入したところ、奨学金が借りるられる上限ギリギリの世帯だったのです。
時代によって変わるようですが、上限に近いと平均年収よりはかなり高い水準になります。ただの貧乏ではなく自然派貧乏だったようでした。
お小遣いも月1000円で同級生より明らかに低かったので、一緒に遊びに行けない経験をしたりして、これはかなりつらい経験でした。
30年くらい前に、明治のマーブルチョコのおまけに、マスコットキャラの小さな人形がついている時期がありました。これを集めたり友達同士で交換したりすることが小学校ではやったのですが、自分は買ってもらえなかったのでこの遊びに参加できずに寂しい思いをしたことを今も覚えています。
出典)明治
マーブルチョコって高いものではないですから、親に「買って」と言えばよかったんだと思いますが、親がものすごく節約志向、かつ子供の話を聞かない系の人だったので、言い出すことすらできませんでした。
大人目線では、わがままを言わないいい子に見えたと思うのですが、その分「親に期待せずに生きる」という思考になりがちなので、大学生になって家を出てからはあまり帰省はしていません。
ある程度わがままを言える余地のある方が、大人になってからも仲良く付き合っていけるのではと思います。
やるべきこと
次に、やるべきこと3つの紹介です。
知識をつけさせる
「添加物はとにかくダメ!」ではなくて、なぜダメなのかを説明した方がいいです。そうしておけば、大人になって反動で添加物を食べまくる可能性は低くなります。
説明はなるべく深い方がいいです。
「添加物」でネット検索すると、「国が安全性をきちんとテストしているのだから、用量を守って使えば安全。騒いでいる人は非科学的」みたいな意見の人もいます。
有名大学の理系学部の出身などの高学歴な肩書の人に記事を書かせて、話に信ぴょう性を持たせているサイトも多いです。
大人になってそういうのを目にしてしまうと、安全なものだと思って、反動で食べまくってしまうこともあるかもしれません。
なので、このような説明までしておく方が、あとあと反抗されずにすむのではないかと思います。
①毒性や発がん性が指摘されている添加物についても、動物実験に基づいて1日許容摂取量が設定されている。
②しかしあくまで動物実験なので、人間が何十年も食べ続けて本当に大丈夫かどうかは不確定要素がある。
③大事な家族の健康のことなので、慎重に考えたかった。
おいしいものを食べさせる
無添加食品といえば生協ですが、生協の商品はおいしいものとおいしくないものの差が激しいです。
お肉は全体的においしいですが、お菓子系は微妙なものが多いです。
子供に大きくなってからも自然派食品を食べさせる習慣をつけたいなら、「おいしい」経験をたくさんさせることが重要です。
生協の無添加プリンを買ってみて親目線でもあまりおいしくなかったら、数回に1回はおいしい洋菓子店の無添加プリンを食べさせてみるなどです。露骨ですが、「スーパーの商品は安い添加物で材料を代替しているからまずいんだ」という説明をするといいかもしれません(笑)
「外で食べるものよりうちにある食べ物の方がおいしい」と子供が思うようになったら、子供も自然と無添加食生活への興味が出てくると思います。
逆に、生協の無添加商品しばりにしてしまって、おいしいかおいしくないかの観点が抜けると、「うちのごはんはおいしくない」と思って興味をなくされてしまうかもしれません。
無添加でこだわった生協でしか買い物をしない生活は、無添加生活を送る上で楽です。でもそれだとまずめの食べ物が増えてしまいます。
そのため、誰が食べてもおいしい洋菓子店やデパートの商品の中から無添加のものを選んで食べさせてみることもおすすめです。
値段が高くなるにつれて無添加度は上がる傾向があるので、洋菓子店やデパートは無添加商品の割合が増えます。
子供の意見を聞く
服の綿100%縛りが嫌だとか、たまにはスーパーのお菓子が食べたいとか、子供は考えていたりします。
そういう意見を全然聞いてくれず、親が一方的に決めたものだけしか使えないと、あまり大事にされているように感じません。
親としてはもちろん、子供の健康のためにそういうルールにしているのだと思いますが、すべて一方的に決めると、子供の意思を無視していることになります。
それを避けるために、ある程度子供が大きくなったら話し合いをした方がいいです。
「親としては添加物入りのお菓子は食べさせたくないけど、どう思う?」みたいな感じです。子供側がそれでも食べたいと言ったら、「週1回だけ」に限定するなど、妥協案を考えることもできます。
親子関係は大切に
子供が将来反抗するとか、反動で添加物の入った食事ばかりを食べて生活習慣病になるとかを心配されている方が多いようですが、実はもう1パターンあります。
親から教えられた無添加生活はある程度受け継いで健康的な生活を送っているものの、親自身には関心をなくすパターンです。「健康に育ってくれたらほかには何も望まない」と表面上は言う人もいるかもしれませんが、実際のところこれが一番心配すべきパターンではないでしょうか?
ガチガチの無添加ママだった私の母親は、自然派食品に関する知識をいろいろと教えてくれましたし、「高いものはやっぱりおいしい」という体験をたくさんさせてくれたので、私も自然派食品を好むようになりました。
ただし、子供が学校などでいづらい思いをするなどということは全く考えてくれなかったし、生活の様子を気にかけてもくれない人だったので、子供目線からは、「自分の信念に従って生活しているだけの人」に映っていました。
「小学校でマーブルチョコのおまけがはやっているから買って!」と言えるような関係だったら、大学入学と同時に家を出てからも頻繁に帰省していたかもしれません。
そういうことにならないように、無添加ママ(自然派ママ)をするときには、自然派生活を子供がどう思っているかよく観察することをおすすめします。