自然食好きの人がたまに不満を言っているのですが、自然食を名乗るレストランなどは、「野菜料理中心=自然食」と認識していることろが多いようなのです。
加工食品であれば無添加、野菜やお肉であれば農薬や飼料にこだわるのが一般的に自然食と認識されているので、野菜が多ければいいというわけではないんです。
池袋や立川などの大都市を中心に展開している自然食バイキングの「はーべすと」がまさにそんな感じです。野菜メニューはたくさんあるのですが、一つ一つの材料に対するこだわりはあまり感じられません。値段はお安くて行きやすいので、これはこれでアリと思って南海か行きましたが。
そこで、食材にこだわった自然食レストランを探してみたところ、ホテルコンチネンタル府中にある「東北牧場」というバイキング形式のレストランがそうらしいと聞いて、行ってきました。
お値段が大人一人3,300円と、府中とはいえバイキングにしては安めなので、全品自然食というわけにはいかないように見えますが、実際どの程度自然食感があるのか、そして味はおいしいのかを確認してみます。
東北牧場とは?
ホテルコンチネンタル府中にあるレストランの一つです。ホテルコンチネンタル府中は、地名がついているのでチェーン店のように見えますが、この1点のみの地域密着型ホテルのようです。
自社牧場を持っている
自社農場を持っているのが特徴で、その農場の名前が、レストランと同じ「東北牧場」です。
公式サイトではこのように説明されているのですが、競走馬を飼育している牧場でついでに野菜を作っているようです。
サラブレッドの堆肥を利用した循環型農業で、完全無農薬・無化学肥料で作られた食材を使用して、食事をお作りしております。
馬にはあまり詳しくないのですが、たぶん現在もレースに出ている、このような馬がいるそうです。
出典)東北牧場
牧場としては大正時代から存在しており、ホテルコンチネンタル府中よりもずっと歴史は長いので、途中で買収などの方法でグループに入れたのだと思われます。
それほど高級感はない
こちらは、ホテルコンチネンタル府中の外観です。(看板に映っているレストランフィリーというのは、同じホテルに入っているもっと高価格帯のレストランになります。)
建物がちょっと古い関係で、めちゃくちゃ高級感を感じるというわけではありません。気軽に入りやすい感じで、筆者が滞在している間も、予約なしのお客さんが何組か来ていたようでした。
店員さんも、きっちりしたスーツを着ていて、ホテル風ではあるのですが、あまり慣れていないアルバイト感が漏れ漏れの人もいます(笑)
お料理はおいしかったので、お値段相当に満足できると思います。
東北牧場の料理はどうだった?
自然食が含まれるのが特徴なのですが、それ以外も特徴的なことが多かったように思います。
ただ、基本的には普通のホテルのバイキングです。客層も自然食マニアっぽい人たちではなくて、普通の若いカップルや家族連れなどです。東北牧場産の野菜が使われているのは一部のみで、メニュー名に明記されていますので、それは別途詳しく紹介します。
ちなみに、牧場と言っても馬の牧場なので、東北牧場産なのは野菜のみです。
しゃぶしゃぶ鍋がある
鯛しゃぶしゃぶフェア中だったので、しゃぶしゃぶ鍋が席においてありました。席でしゃぶしゃぶできて、熱々が食べられたのでよかったです。
東北牧場産ではないようですが、鍋に入れる用の水菜やえのきなどの野菜も新鮮でおいしかったです。
お魚中心
今回のフェアが鯛しゃぶだったからかもしれませんが、お魚料理の多さが目立ちました。
しゃぶしゃぶだけでなくお刺身も食べられて、アラフォーの胃には優しかったです。
お刺身の食べ放題が普通のホテルバイキングについているのは珍しいですね。味に関しては、まずくもなく感動するほどおいしくもなく、いわゆる「魚が名産ではない土地で普通に食べられるレベル」のお魚でした。
お肉は逆にあまりなく、普通のバイキングでよくありそうな外国産牛肉系のメニューは、ステーキと、カレーの中に入っていたゴロゴロお肉のみです。
オーストラリア産のロースステーキを食べたのですが、これは固くてあまりおいしくなかったです(笑) カレーの中に入っていたお肉の方が柔らかくておいしく感じました。
基本的には普通のホテルバイキング
テリーヌやサーモンのカルパッチョ、カモのパストラミなど、東北牧場が無関係のメニューも普通にあります。
なので、普通のホテルバイキングのイメージで食べに行って大丈夫です。
東北牧場メニューを食べてみた
さて、ここからは東北牧場メニューを食べてみます。
お茶がおいしい
東北牧場産の、様々な種類の野草茶が飲めます。冷やしたものが2種類あり、それに加えてティーバックもたくさん種類があります。
今回、冷やしたものはギシギシとタンポポのお茶でした。
ギシギシという野草は今回初めて知ったので味が想像つきませんでしたが、ほのかに甘い水という感じで、そんなに野草感はなかったです。タンポポの方も同様にほんのり甘い水に感じました。
たぶん、ティーバックの方が野草感を感じられます。ヨモギと人参葉を試しましたが、ティーバックの方は香りがより感じられてよかったです!
高級青玉も食べ放題
東北牧場で育てている、殻が青色の卵「青玉」も食べ放題です。通常価格だと10個3,240円で販売されているものなので、1個300円の卵が食べ放題ということですね!
この卵、鶏の飼育方法としてはもちろん平飼い(ゲージに入れずに鶏が自由に歩きまわれる環境で育てる)なのですが、その中でもかなりこだわっているもののようです。
屋外運動場で鶏を運動させたり、自社農園で無農薬・無化学肥料栽培したトウモロコシを飼料として使っているそうです。
すごい卵であることがわかりましたね(笑)
しかし、残念ながら卵は値段の違いが味の違いに反映されにくいようで、これまでいろいろな高級卵を食べてきましたが、特に違いを感じたことはありません。
1個300円の卵ならば何か感じるものがあるかもしれない、、、!と期待して食べてみたものの、やはり味の違いはわかりませんでした。
卵かけごはんと卵焼きを食べてみましたが、感動するほどの味ではなく、、、。味付けのせいだと思われますが、卵焼きは正直おいしくない域にまで足を踏み入れていました。
東北牧場の野菜
バイキングで食べられる野菜のうち、だいたい半分くらいが東北牧場産のようです。
ごぼう入りカレー、焼き野菜、鶏肉と野菜の炒め物などがありました。焼き野菜はこちらです。
同時に食べ比べないと、さすがにスーパーの野菜との味の違いはわからないのですが、普通においしかったです。野菜にたれをつけてそのまま食べるスタイルで、シンプルですがおいしく感じたので、やっぱり素材がいいのかもしれません。
ただ、本格的すぎて人気がないのか、長時間手をつけられないで保温されていた感があります(笑)
東北牧場の野草を使ったお菓子
デザートはたくさんあるのですが、その中に東北牧場の野草を使ったメニューが2つありました。ヨモギプリンと野草のパウンドケーキです。
これは期待して食べてみたのですが、どちらも甘すぎて野草の味がわかりません(笑)
シェフが、「野草でデザートを作って」と言われて仕方なく作ったけどそんなにおいしくなかったから砂糖でごまかしたのでは、、、と邪推してしまうクオリティでした。
客層は普通のホテルバイキングと全く同じなので、幅広い人に違和感なく食べてもらえる味にしたかったのかもしれませんが、もう少し野草であることが活かされた味だったらよかったなと思いました。
おいしいようなおいしくないような、、、
これまで書いてきたように、ところどころ微妙なところがあり、文句なしにおいしい!絶対おすすめ!と言えるようなお店ではありませんでした。
ただ、鍋があったりお茶が豊富だったり、他のホテルバイキングとは違う点もたくさんあり、「楽しみに行く」目的だったら、またリピートしたいと思いました。
3300円という価格を見ると、ホテルバイキングとしては標準的な価格かなと思います。
お野菜に関していえば、お菓子が特にそうですし、あまり素材を活かした調理法になっていないようにも感じました。コース料理を提供している他のレストランも同じホテル内にありますので、そちらで食べた方がもしかしたら東北牧場のお野菜が活用されているのかもしれません。