自然食

無塩せきハム・ウインナーとは? おいしい理由や価格の違い

無塩せきウインナー

「無塩せき」のハムやウインナーは無添加食品の中でも割と有名ですよね。大手のお店だと、イオン系列のスーパーでも販売されています。

「無塩せき」とは、発色剤として亜硝酸ナトリウムを使用していない製品のことです。この無塩せきのハムやウインナーが「お肉の自然な味がおいしい」ということで、自然派志向の方からは人気があります。

ただ、亜硝酸ナトリウムは単に発色の問題だけではなく、細菌の繁殖を抑える効果もあるため、高級ハム・ウインナーにも使われていることもあります。

この記事では、無塩せきのハム・ウインナーの特徴やおいしい理由などを紹介します。

無塩せきのハムやウインナーはトップバリュ系列のスーパーでも手軽に購入できますので、気になった方は試しに食べてみてください。

そもそも無塩せきとは?

「無塩せき」のハムやソーセージの特徴は、体にあまりよくないとされている発色剤・亜硝酸ナトリウムが含まれていないことです。そのため、見た目は通常のハムやソーセージよりくすんで見えます。

亜硝酸ナトリウムには賛否

なぜ亜硝酸ナトリウムの利用の有無で区別するかというと、この亜硝酸ナトリウムに毒性や発がん性があると言われているからです。

毒性があるのは間違いありませんが、国の制度によって、毎日食べ続けても安全な量である「1日摂取許容量」が設定されているため、様々な製品に利用されています。

1日摂取許容量が設定されていたとしても、不安があると考えて無塩せきを好む人もいますし、逆に、亜硝酸ナトリウムにはボツリヌス菌などの細菌の繁殖を抑える作用があることから、無塩せき製品の方が危ないと考える人もいて、意見が割れています。

例えば贈答品も販売している「サイボク」は、「添加物は必要最小限程度だけ使用する」という方針にしていますが、ボツリヌス菌を理由に発色剤は使用する方針にしているそうです。

もともとは岩塩だった

亜硝酸ナトリウムは岩塩に含まれているそうです。

もともとヨーロッパなどで、発色がよく、安全性も高まるので肉製品に岩塩が使われていましたが、あとの時代になってそうした作用が亜硝酸ナトリウムの効果だということが判明して添加物として使われるようになった流れだそうです。

ウインナーの本場ドイツでは亜硝酸ナトリウムを使うのが主流という話もあるようですが、日本で売られている輸入ウインナーや、ドイツで修行した人のウインナーを見てみると、使われているものもあれば使われていないものもあるようです。

無塩せきがおいしい理由

「無塩せき」と書いてあるハムやソーセージはおいしい傾向があるように感じます。しかし、それは無塩せきが理由ではないのかもしれません。

スーパーで売っている大手メーカーのハム・ウインナーはほとんどにはアミノ酸が含まれており、さらに一部の安いスーパーには結着材料などのまぜものが入っていますので、これがおいしくない原因のように思います。

ちなみに、無塩せきの中でも安いトップバリュの無塩せきウインナーはあまりおいしくないです(笑)

アミノ酸のうまみがきつすぎる

大手メーカーのハム・ウインナーにはアミノ酸が使われています。なので、食べるときついうまみ感があります。

アミノ酸とは、「うまみ」のことです。お肉そのものにも含まれていますが、さらに人工的に添加することもあります。成分表示に「アミノ酸」と書かれていなければ、お肉そのもののうまみのみだけで作られた製品です。一方、「アミノ酸」と書かれていると、お肉のうまみに加えてさらにアミノ酸を付け加えていることになります。

自然派志向の方の中にはアミノ酸を嫌っている人もいるのですが、私はそこまででもないです。むしろ、無添加ポテチはまずいのでポテチにはアミノ酸を使った方がいいと思っているくらいです。

https://natural-food.site/%e3%81%be%e3%81%9a%e3%81%84%e3%83%9d%e3%83%86%e3%83%81/

ただ、ハム・ウインナーに関しては、アミノ酸を添加せず自然なお肉のうまみそのままの製品の方がおいしく感じます。

結着材料などのまぜもの

アミノ酸というのは通常、「安価かつ手頃に」うまみを出すために使用されます。このため、アミノ酸添加あり製品には、そのほかにも「安価かつ手頃に」するための方法が使われている場合があります。

日本農林規格協会(JAS)が設定した等級を見てみましょう。「特級」「上級」「標準」に分かれており、でん粉などの結着材料を使用していないもののみが「特級」に分類されます。上級は、結着材料が5%以下、標準は10%以下と、どんどん基準が緩くなっていきます。

このほかにも、「特色JAS」規格があり、「特級」と同様に結着材料を使用していないのに加えて、72時間以上熟成したものは「特色JAS」に認定されるそうです。

つまり、肉以外のものを入れて「混ぜ物」をしていることになるので、この「結着材料」というのも、味に関係している可能性がありますね。

ちなみに、このJASマーク、表示の義務はないそうです。しかし、特級を取れるならアピールのために表記すると思いますので、何も書いてない場合は上級か標準の可能性が高いですね。成分表示に結着材料があればわかるでしょう。

よく名前を聞くアルトバイエルンやシャウエッセンは特級ですし、スーパーで成分表示ありで売られているものは、特級が多いようです。

では、どういうものに結着材料が使われているのでしょうか?

私は一応自然食志向ですが、イベントは楽しむものなので、いろんな混ぜ物が入っているだろうなと思いつつも、屋台のフランクフルトは食べます。「肉ではない何かが入っている」感をはっきり感じるのですが、「ウインナー 業務用」で調べると、案の定結着材料入りの製品が、、、。

成分表示が見えない製品に使われているということですね。

無塩せきの価格は比較的高め

イオン系のスーパーやCOOPには置いてありますし、無塩せきのハム・ウインナーは自然派食品の中でも比較的メジャーです。

お値段的には、スーパーの商品より少し高いくらいで購入できます。

購入しやすいトップバリュ、生協(生活クラブ)、宅配食材サービスのオイシックスの無塩せきウインナーと、スーパーで人気の日本ハム・シャウエッセン、伊藤ハム・グランドアルトバイエルン、トップバリュのあらびきポークウインナーの100グラムの価格を比較してみました。

  商品名 100グラムあたりの価格
無塩せき トップバリュ・Free Fromポークあらびきウインナー 231円
  生協(生活クラブ)・ポークウインナー 201円
  オイシックス・国産豚のあらびきウインナー 350円
スーパー 日本ハム・シャウエッセン 205円
  伊藤ハム・グランドアルトバイエルン 178円
  トップバリュ・あらびきポークウインナー 138円

意外と高くない

オイシックスはなんでも高いので別にして(笑)、トップバリュと生協(生活クラブ)の無塩せきウインナーは、スーパーのウインナーと比較してもそこまで高くありませんでした。

もちろん、シャウエッセンとグランドアルトバイエルンは比較的高価格帯の人気商品(シャウエッセンは特級、グランドアルトバイエルンは特色JAS)なので、スーパーで探せばもっと安いものはあります。

ただ、最安価格帯のトップバリュ・あらびきポークウインナーと比べても倍以上の差はついていません。

自然派食品はスーパーの商品の1.5倍から2倍くらい高いものが多いので、無塩せきウインナーは比較的買いやすいかもしれません。

トップバリュはあまりおいしくない

近所の店舗にあるので買いやすいトップバリュの無塩せきウインナーですが、正直なところあまりおいしくないです。

原材料を見てみると、添加物は貝カルシウム以外入っていませんが、結着材料などの余計なものは入っています。これが原因で、お肉のうまみが薄まっているのかもしれません。

原材料名 豚肉(アメリカ産)、豚脂肪、粉末水あめ、結着材料(でん粉、大豆たん白)、還元水あめ、食塩、かつお節エキス、香辛料、酵母エキス、玉ねぎエキス、マッシュルームエキス、たん白加水分解物(豚肉を含む)
添加物 貝カルシウム

でもアミノ酸は入っていないので、味のジャンル的には、生協やオイシックスなどの無塩せきウインナーと似た味がします。

100グラムあたりの価格がトップバリュよりも安い生協(生活クラブ)のウインナーは、味はおいしいと思いますがこちらも結着材料が入っています。

豚肉(国産)、結着材料(えんどう豆でん粉、でん粉(馬鈴薯(国産)))、食塩、砂糖、香辛料、ポークエキス、羊腸ケーシング

結着材料なしがいいという方は、オイシックスのウインナーの原材料がシンプルでおすすめです。

豚肉(国産)、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、香辛料

贈答品にも使われていることも

最初に紹介したように、高級品でも細菌の関係であえて発色剤を使っている商品もあります。一般的な食品だと、デパートなどで値段が高くなるほど素材の味を活かした無添加になっていく傾向があるのですが、無塩せきのハム・ウインナーに関してはそうではないようです。

なので、亜硝酸ナトリウムを避けたい方は、購入前に原材料を確認することをおすすめします。