人工いくらって本当にあるの? 通販で買って食べてみた

自然派食品に異様な熱意を持っていた筆者の実家には、商品の安全性を特集した「買ってはいけない」などの本がたくさんありました。(トンデモ本と言われることもあるようですが、、、)

その中に、「人工いくら」に関する記事があり、いくらが大好きだった筆者は偽物のいくらが存在することにショックを受けました。

その後、「人工いくらが流通していて知らず知らずのうちに口にしているなんてありえない話だ」というような話も聞き、安心していたのですが、この人工いくら、普通に販売されているようです。

「いくら」と称して販売するのは法律にひっかかるので行われていないと思いますが、メニュー名に書かずにトッピングなどにつけるのはおそらく問題ないため、知らず知らずのうちに食べてしまっている可能性もあります。

ネットでも購入できるので、味の検証をしてみました。せっかくなので、スーパーのいくらと回転寿司のいくら、デパ地下のいくらという、お値段の違う3種類のいくらの食べ比べもしてみました。

人工いくらは普通に売られている

子供のころに読んだ本では、人工いくらは「カーバイドいくら」と呼ばれていました。「カーバイド」というのは「炭化物」のことで、「なぜカーバイド?」と疑問に思ったのですが、開発したのが「日本カーバイド」という会社だからだそうです。

人工いくらの特徴

安くて日持ちがするというメリットで業務用として使われているほか、魚卵アレルギーの方でも食べられるものは、ご家庭用に買われることもあるようです。

「人工イクラ実験セット」も売られています。「アルギン酸ナトリウム」に「乳酸カルシウム」を加えることで、ゲル化して膜が作られるそうです。

 

なお、この実験キットの中身は化学物質のみですが、実際に売られている人工いくらである「サーモンドロップス」には、本物の魚(鮭とアンチョビ)から抽出した液が使われていて、魚感のある味付けは本物の魚由来になっているようです。

種類はあまりない

通販サイトで買えるか調べてみたのですが、あまり種類はないようです。

今回は、キューピーの「サーモンドロップス」を購入しました。サーモンドロップスはAmazonでも購入できます。

このほかに、Amazonと楽天では売っていませんでしたが、カネテツという会社の通販サイトで、「ほぼいくら」という商品が売られているそうです。

いくら食べ比べ

人工いくらと普通のいくらを食べ比べてみるわけですが、「普通のいくら」といっても値段によって結構味に違いがあるように思います。

そこで、今回はスーパーで売っているいくら、回転寿司(スシロー)のいくら、デパ地下の高級いくらの3種類と、人工いくらで食べ比べをしてみます。

値段はこのようになっています。スーパーのいくらとデパ地下のいくらでは、倍近い差がついていますね。また、人工いくら(サーモンドロップス)の安さはやはりすごいです。

種類 価格
スーパーのいくら 1200円
スシローのいくら 2貫180円
デパ地下の高級いくら 2000円
サーモンドロップス 380円

安いいくらと高いいくらとは?

自然派食品一筋の筆者の実家では、いくらを食べるときは常にデパ地下の高級いくらでした。

ちなみに特に家計に余裕があったわけではなく、中学生になってもまだ美容院に行かせてもらえずに母親が素人カットしたぼさぼさ頭でブサイクといじめられたり、高校から奨学金を借りさせられたりと結構悲惨な学生生活を送っていましたが、食にだけは異様にお金をかけていたようです。

回転寿司も社会人になって初めて行きましたが、そこでいくらを食べて、「これっていくら、、、?」と感じたのを覚えています。

記憶にあるいくらよりも粒が小さく、味がしないのです。

しかし、社会人になってからは逆に高級いくらを買わなくなったので、具体的に何がどこまで違うのかじっくり比較したことはありません。今回、人工いくらのついでに高級いくらと普通のいくらの食べ比べをしてみたのは、そのあたりが気になったからです。

いくらの粒の大きさが違う理由

回転寿司で、「記憶にあるいくらよりも粒が小さかった」という印象を持ったわけですが、そもそもなぜこれほど大きさが違うのでしょうか?

そもそもが小さい粒なので、野菜などと違って、大きいものと小さいものをより分けて売っているとは思えません。

調べてみたところ、いくらには鮭のいくらと鱒(ます)のいくらの2種類があり、どちらも「いくら」と呼ばれているそうです。

どの回転寿司が鱒いくらを使っているかはネットで調べてもあまり情報がありませんが、食品産業新聞社によると、スシローのいくらは鱒だそうです。

普段は「いくら」のメニュー名で販売されていますが、期間限定で「秋鮭のいくら」というメニュー名になることもありますので、やはり通常は鱒いくらなのでしょう。

検証方法

高いいくらはやはり粒が大きいので、食感でわかってしまいます。そのため、いくらをあらかじめつぶして液体状にしておきます。

ここからの準備は、筆者にはわからないようにアシスタント(夫)にしてもらいます。

アシスタントに順番をバラバラにしてもらい、念のために目隠しをして順番に食べていきます。

そして、お皿をおいしかった順に並び替えます。

なお、正確に比較して順位をつけるために、食べ直しもOKのルールにしています。

検証結果はどうなった?

高い順においしいという、予想通りの結果になりました。

順位 製品
1 デパ地下のいくら
2 スーパーのいくら
3 スシローのいくら
4 サーモンドロップス

サーモンドロップスはやはり微妙

本物のいくらは中身が液体ですが、サーモンドロップスはゼリー状です。「アルギン酸ナトリウム」を固まらせる方法で作るとゼリー状になってしまうらしいですが、この時点で本物のいくらとは違いますよね。

粒の大きさはだいぶ違う

スシローの通常いくら(鱒)とスーパーのいくら(鱒)を、デパ地下のいくらと比べてみると、大きさがやはり違います。

大きい分食べている感触もおいしい感じがしますし、中身の液体もおいしかったです。

高いだけの価値はある

子供の頃、母親がデパ地下で躊躇なく高額ないくらを購入するのを見て、「そんな金があるなら高校の学費を出してくれ」と思っていた筆者ですが、高いいくらはやはりおいしいです。

とはいえ子供のころから筆者もいくらが大好きでした。スシローがいくらフェアをやっているときは、毎回行って10皿ほど食べいましたが、安いいくらはお腹いっぱい食べてもいまいち満足感がありませんでした。

スシローの安いいくら10皿分と、高級いくら1皿分が同じ値段なら、高級いくらを1皿食べた方が満足感があるかもしれません。

100グラム1,000円以上のいくらは、なかなか買うのに勇気がいりますが、食べたことがない方は一度試してみてはいかがでしょうか。