「タケノコは水煮ではなくて生から煮た方がおいしい!」という記事を書くために、都内でタケノコ料理を提供しているお店を探していました。そのときに、東京・吉祥寺にある自然食レストラン「階段ノ上ノ食堂」を見つけ、さっそく行ってみました。
サイトでは特に自然食をアピールしていないのですが、行ってみたら「たらこ」まで自家製無添加のものを作っているらしく、かなり素材や無添加にこだわったお店でした。
味もおいしいですし、手間ひまかけて作り、素材にもこだわった料理を比較的リーズナブルに提供してくれるのですが、結構ルールが細かく、「客を選ぶ店」なので注意が必要です。
それでは、今回は「階段ノ上ノ食堂」で定食を食べてみた感想を紹介します。
階段ノ上ノ食堂はどういうお店?
階段ノ上ノ食堂は、吉祥寺駅の近くにある雑居ビルの2階にあるレストランです。上の方に木の看板で「階段ノ上ノ食堂」と書かれていますが、看板も文字も小さいので、入口は分かりにくいです。
コースと定食の中間?
お店側は「定食屋」を名乗っているのですが、定食の価格は2000円以上で割とお高めなので、大戸屋ややよい軒みたいなものを想像していくと、ちょっと違うなという印象になると思います。
高めではあるのですが、メインのお料理・サラダ・お野菜系の副菜5品・お刺身・お味噌汁・ごはん・デザートがセットなので、コスパが悪い感じはしないです。むしろお得な感じがします。なので、定食屋というより、軽いコースのような感じです。
また、お店に入ると目につくところにお酒が並んでいますので、そこも定食屋のイメージと少し違います。ただ、べろべろに飲んで盛り上がるという雰囲気ではなく、落ち着いて少し飲むといったイメージのようです。
お店のルールが多い
お店に上がる階段の前に、びっしりルールが書いてあります。
コロナ対策でほかのお店も同様のルールにしているものもありますが、以下の3点はあまり見かけないルールですね。
・4名以上のグループは2席に分かれる。テーブル間での会話はできない
・全員そろってからの入店
・未就学の子供は入店不可
「定食屋」を名乗っていて未就学児NGというのは予想していなかったです。この時点でかなり「客を選ぶ店」のオーラがただよっていますが、実は中に入るともっとルールが追加されます(笑)
・通話、ノートパソコン、勉強等の作業、長時間の読書、動画の視聴はNG
・定食を注文しない人は席代500円(/人)
・料理を提供しはじめてから1時間(おひとり様は45分)以上の利用は席代200円(/人)、以降30分毎に100円(/人)
制限をかけるのはわかりますが、特におひとり様45分はかなり厳しいですね。
こういう感じのお店はたまにありますが、注意書きに書いてあるのに守っていない人がいるとお店の秩序も乱れますから、こまめに注意されることもあります。このお店もそのような形で運用されているらしく、食べログには注意された人からの不満の書き込みが、、、。
「店主さんや店員さんの態度が悪い」と書かれていることもありますが、ルールさえきっちり守っていれば、態度が悪いというようには筆者は感じませんでした。
量が多くて食べきれなかったのでパックに入れて持ち帰りたい、現金が財布に入っておらず近所のコンビニまで行くのでお支払いを待ってほしい(お店が現金支払いのみだったため)、等結構な迷惑をおかけしましたが、嫌な顔をされることなく対応していただけました。
定食はすごくおいしい
メインのお料理・サラダ・お野菜系の副菜5品・お刺身・お味噌汁・ごはん・デザートがセットで2000円以上の定食メニューが4つ選べました。定期的に変わるようですが、筆者が行った日は以下のメニューでした。
・小田原 地ブリの塩焼き(税込2300円)
・短角牛のいろいろトリッパのペルー風煮込み(税込2200円)
・赤穂 坂越かきのフライ(税込2300円)
・小田原 アンコウのキムチチゲ仕立て(税込2200円)
メイン料理はぶり
今回はメインに「小田原 地ブリの塩焼き」を選びました。正直かきフライ以外のメニューの味の予想がつかなかったので消去法です。
後で調べたところ、トリッパというのは牛の胃袋のことらしいです。アンコウは、どんな魚かは知っていますが、食べたことはないですし見た目がかなりグロいのでやめておきました。
ブリは、食感がふわふわしていました。調理方法が悪いのか、安いぶりだから悪いのか(笑)、家でブリを焼いてもあまりふわふわにはならないのでおいしかったです。
ついていた醤油系のたれをどばっとかけてしまったので味は濃すぎになってしまいました。「塩焼き」メニューなので、そのまま食べた方が多分おいしかったです。
サラダ・副菜5品
サラダも手が凝った感じがしました。梅ベースのソースに、板状のナチュラルチーズが少し入っていておいしかったです。
副菜は5品もありますのでいろいろ食べられますし、一つ一つが普通の定食屋にはあまりなさそうなメニューなので新鮮でよかったです。
ぱっと見ただけでは何なのかわからないものもありますが、副菜5品のメニューと感想はこちらです。
メニュー | 感想 |
自家製豆富 | 「豆腐」のことです。舌触りがびっくりするほどクリーミーで、生クリームプリンのような感じでした。 |
菜の葉のおひたし | 薄い味付けで、野菜のおいしさを味わうという感じのメニューでした。 |
クラゲもずく | メニューをあまり見ないで食べてしまいました。生のイカが入っているなと思ったのですが、クラゲだったようです、、、クラゲは初めて食べたかもしれません。 |
ほうれん草とチーズのオムレツ | 普通においしかったです。 |
漬物 | 着色料が入っていなさそうに見えることから、自家製のように見えました。酸っぱい漬物は苦手なのですが、味のついた野菜のような感じでさっと食べられました。 |
ごはん・味噌汁
ごはんは、白ごはんの場合はセット料金に含まれますが、たけのこごはんに変更すると400円かかります。変更した分の差額が400円ということは、たけのこのみで400円ということですね。高いです(笑)
「風岡さんちのタケノコごはん」というメニュー名で、有名なタケノコ農家さんのタケノコを使っているそうです。
水煮のタケノコよりシャキシャキしていておいしかったです。
味噌汁の印象は普通でした。素晴らしくおいしい出汁、とか、食べたことのない味の味噌、とかではなかったです。
デザート
黒棒といちごのデザートでした。
黒棒、20年ぶりくらいに食べました。生協でよく売られているお菓子です。自然派家庭では白砂糖が嫌われ、黒砂糖が好まれるのと、黒棒はいろんなメーカーがありますが、昔ながらの企業が多くシンプルな原材料のことが多いので、生協で採用されやすいのではないかと思います。
味は、「黒棒にいちごと生クリームを乗せる」だけなので、黒棒を食べたことのある人には簡単に想像できる味で意外性はありません。しかし、味はとてもおいしかったです。高くていいイチゴを使っているのだと思いますが、大きくて甘かったです。
乗ってるクリームが動物性なのか植物性なのか?を一応観察してみたのですが、筆者の知識では判別不可能でした。動物性生クリームを使っている近所のケーキ屋さんのクリームに似ている気がするようには感じました。
単品メニューもすごい
単品メニューも自然派感がすごいです。例えばこんなメニューがありました。
・自家製発酵ドリンク(ジンジャー・梅しそ)
・100パーセントストレートグレープフルーツジュース
・手作り みりん梅酒
・放し飼いの生卵たまご
・自家製 塩たらこ
自家製梅酒は、作るのが好きな人もいるようで普通のお店でもたまに見かけます。でも、発酵ドリンクまで作っているのは珍しいですね。
ジュースがストレートジュースなのもこだわりを感じます。ストレートジュースと濃縮還元の違いはこちらの記事で紹介しています。
たまごも、放し飼いということは相当原価が高いもののはずですが、普通の居酒屋と変わらないような値段(100円)で提供されています。たまごかけごはんにしたかったですが、今回はタケノコごはんだったので次回のおたのしみにしています。
自家製塩たらこまで作っているのは驚きました。食べてみたい気がしますが、たらこはさすがに完全無添加だと食中毒が心配にもなり、今回はやめておきました。
お得感がすごい
階段ノ上ノ食堂は定食2000円からです。値段だけ見ると高いですよね。でも、メニュー数が多いのでお得感があります。
さらに、材料もスーパーで売っているものよりもかなり高価なものを使っているように見えるので、それを加味するとかなり良心的な値段設定に感じました。
おひとり様は45分で追加の席代がかかる厳しめのルールではありますが、ルール一覧の舌に「少しでも、値段を安く、スムーズにご案内・提供する為にも、ご理解・ご協力をお願い致します」と書いてある通り、この価格で食べるためには必要なルールなのかなと感じます。
とてもおいしいお店なので、細かいルールがあっても大丈夫という方にはおすすめです!