私は子供のころから、平飼い有精卵、ノンホモ牛乳など、お高い自然派食品を食べて育ちました。おいしいものを知って育ったということで、食の面ではいいことだったと思っています。
しかし、、、ガチの自然派になると、食だけでは終わらないのです。
具体的には、内科に行った記憶がありませんので病院の薬を飲んだことがありませんし、ドラッグストアで売っている市販の風邪薬なども飲んだことがありません。そういうのは、「体の自然治癒力」を弱めるのでNGだったのです。(外科、眼科などは行きました)
するとどうなるかというと、ただの風邪でも何日も苦しみます(笑)
見る人が見れば虐待に思えるかもしれませんが、一応薬ではない代わりの何かは与えられていました。高校生くらいになると、明らかに自分の家は変なんだと気づいていたので、姉と「うちは民間療法だからね、、、」と話していました。
今回は、そんな自然派家庭で使われる民間をご紹介します。なお、全く推奨していませんので、「こんなものあるんだー」くらいの感覚でお読みください。
けがをしたとき
けがをしたとき、普通は消毒と絆創膏だと思いますが、実家ではアロエ・ガーゼとテープ・コウケントー・まむし軟膏を使っていました。
アロエ
こんな感じのアロエの鉢植えが部屋の中にあり、けがをしたりするとアロエをちぎってエキスを塗っていました。アロエには美肌効果もあるようですが、火傷や切り傷の治りを早くする効果もあるとされているようです。
一般的な治療法というのをよく知らないのですが、学校でけがしたときは確か、消毒液と絆創膏だったと思います。傷の治りを早くする系の薬は、存在はするようですがメジャーではないようなので、切り傷に使うアロエに関しては、効果のほどはともかくプラスではあったのかもしれません。
ちなみに、小学校のとき引っ越して以来、母親がめんどくさくなったのかアロエは栽培しなくなりました。
ガーゼ・テープ
絆創膏がなぜかNGで、傷のサイズに合わせてガーゼをカットして、その上からテープで貼って固定していました。確かに、大きな傷でも小さな傷でもサイズを合わせて使えるので便利ではあるのですが、ガーゼが傷口に張り付いてはがすときに痛いんです。
絆創膏の方が比較的貼りつかないように思えたので、母親になんで絆創膏はダメなのか聞いてみたところ、「通気性が悪いから」とのことでした。
よくわからなかったので病院のサイトで調べてみると、昔の知識では乾燥させるのがよかったので、通気性を気にしていたということのようです。
傷(きず)を早くきれいに治すのに最も大切なことは、何でしょうか?
それは、傷を乾かさないことです。
20年ぐらい前には、傷は乾かして治すのが一般的でした。
ケガをしたら、消毒して、ガーゼを当てて、乾かしてかさぶたにして治していました。
消毒する時やガーゼを剥がす時が痛くて、傷の治りが汚くなってしまうのが欠点でした。
それとは全く逆の方法、乾かさないで治す方法「湿潤療法」が行われるようになり、今では創傷被覆材(キズパワーパッドなど)が市販されています。
コウケントー
「コウケントー」という謎の機械もありました。大型なので、高いだろうなと予想していましたが、なんと15万円です。現在も販売されています。
先ほど紹介したように、「キズは乾かす」というのが根本的な考え方だったので(これは筆者の母親に限らず時代的にそうだったようです)、キズにこの謎の機械から出る光を当てていました。
「光線治療」というジャンルになるのですが、コウケントー公式サイトを見ても、一体どのような用途で使い、どのような効果をもたらすのか、いまいちわかりません。正直怪しいです。
なにか病気を治したりするのに使うのかなと思いましたが、公式サイトの説明を見る限り、病気を治す効果があるのではなくて、エネルギーをもらうための機器のようです、、、。
光線治療器(カーボンアーク灯治療器)は、太陽光に似た光線を人体に照射することで、赤外線・可視線・わずかな紫外線等の連続スペクトル光線と熱の効果によって日常生活に必要不可欠なエネルギーを補う治療器です。
あたたかい光ですから、「キズを乾かす」という目的はとりあえず達成されます。が、それ以外で使った記憶はないです。もしかして母親も使えない機械だと思っていたのかもしれませんが、しばらくすると使われなくなりました。中学生のころにはもう家になかったと思います。
ただ、批判的な見方をしたとしても、実感として「ほどよくあたためる」のはつらい症状が楽になったり、一定の効果はあるように感じます。そういう目的ならケンコウトーよりもずっと小型の機械があるわけなので、ケンコウトーがいなくなってからも、小型の治療器(赤外線)はずっと使われていました。
まむし軟膏
民間療法界隈では、まむしは愛用されています(笑)まむしというのは蛇の一種で、漢方で伝統的に使われてきた素材だそうです。
軟膏の原料にも使用されますが、滋養強壮に効果があるそうで、まむしをつけたお酒なんかも飲まれているそうです。
ハブ酒の方が有名ですが、それと同じ感じです。ハブ酒って、ほんとにハブがもろっと入っているんですよ。
ガチ自然派だと、知り合いも同じくガチになりがちなので、母親の知り合い宅におじゃましたときに、外にもろっとつけたハブの瓶が置いてあったことがあり、泣きそうになりました。
原料がまむしですから、どうしても軟膏を塗らないといけないといけない場面以外では使うのを拒否していたので、使用感はいまいちわかっていません。
気持ち悪くなった時
生理痛だけは、なぜか市販薬OKだったので、中学生のころからずっとイブAを飲んでいます。薬を飲んでもさらにつらいときは、「赤外線」と呼ばれる小型の機械をおなかにあてていました。
赤外線
これはやらされたのではなく自主的にあてていました。実際痛みが軽くなる気がします。明らかに効果があるのですが、たぶん単純にあたためた効果なので、カイロでいいのでは?と思って調べてみたところ、やはり生理痛対策としてカイロを貼る方法は有効だとされているようです。
ちなみに、赤外線治療というのは一般的な医学でも効果が認められているらしく、大手企業のオムロンなども赤外線治療器を発売しています。
一人暮らしを始めるときに一人一個赤外線をプレゼントされる家庭ルールだったので、大学入学時にMy赤外線をもらいましたが、しばらく愛用していました。(もっと怪しいメーカーのですけどね、、、)
民間療法が一概に悪いというわけではなく、実際体験してみると、いいものも確かにあります。
かぜをひいたとき
風邪をひいたときは、基本的になにもせず、体の自然治癒力で回復します。なので、薬を飲む場合と比べて、熱・鼻水・咳でつらい期間が長引きます。
かぜで病院に行くという習慣がないので、大人になってからも基本的には行っていませんが、子供が生れてから小児科にはいくようになりました。
すると、風邪の薬というのは、体が風邪と戦うためにやっている熱・鼻水・咳を抑えるものなので、使わないでもそこまでつらくないのならなるべく使わない方がいいという説明をされます。
「体の必要な反応を抑えてしまうものだから飲まない」という考え方は一見合理性があるようにも見えますが、実感としては、風邪の市販薬を飲んだ方が早く治ります(笑)つらさが減ることで体の体力が温存されるからかもしれません。
風邪の場合には、薬の代わりに「卵酒」を飲んでいました。
卵酒
卵酒とは、日本酒・卵・砂糖から作るあたたかい飲み物です。普通においしいので、風邪をひいたら卵酒が飲めると楽しみにしていました。
体を温める効果があることと、栄養が高いことで、風邪に効果があるとされているそうです。
普段全然自然派ではない普通のビジネス記事を出しているプレジデントオンラインでも、「インフルで「タミフルより卵酒」が効く人の特徴」という記事が出ていたりしますから、結構メジャーな風邪対策のようですね。
味もおいしいので、風邪をひいたときにはぜひ作ってみてください。
虫に刺されたとき
虫にさされたときなど、切り傷以外の外傷には、「びわ焼酎」という母親お手製の謎の液体を塗っていました。
アロエ・コウケントーなど、一時期使っていたけど消えた民間療法もあるのですが、びわ焼酎はかなり後の方まで現役でした。
母親の方の心境の変化もあったようで(仕事が楽しくなった、子育てが終わった等の理由だと推測しています)、今現在の実家では時間のかかる民間療法はほぼなくなっているのですが、心境の変化がなければ今でも現役だったのではと思います。
びわ焼酎
そもそもびわって何?って方ももしかしたらいるかもしれませんが、このようなオレンジ色の果物です。
にがみがあるというかなんというか、、、正直果物としてはそこまでおいしい感はありません。
びわのエキスに殺菌作用や鎮痛作用があるとされているようで、民間療法として利用されています。エキスを抽出するのに焼酎を使っているので「びわ焼酎」と呼んでいました。
成人してから初めてウナコーワークールを使ってみましたが、「絶対ウナコーワークールの方がいい!いままでつらかった!」みたいな感じはなかったので、びわ焼酎も虫刺され対策としてはある程度効果があったのではないかと思います。(大学入学以降蚊が少ない都会で生活していたので、正確な比較はできていませんが)
毎日の健康対策
数年前に、CMで「未病」というキーワードをよく耳にしていました。「病気未満だけど、健康ではない状態」を指す言葉だそうですが、民間療法的にはこの「未病」を起こさないことが重要になります。
そのため、日常生活で口にするものにも気を遣っていて、有機野菜・添加物なしの加工品は徹底されていましたが、他にもいろいろありました。
ドクダミ茶
美肌効果やデトックス効果のあるとされているドクダミ茶を夏場は毎日飲まされていました。
飲まされていたというか、冷蔵庫に冷やしてある水分がどくだみ茶しかなかったため、夏場は常温の水を飲むか冷えたどくだみ茶を飲むかの2択になり、渋々ながらどくだみ茶を飲んでいました。
毎日飲んでいたイメージだったのですが、思い返してみると、冷たい水分が必要ない冬は飲んでいませんでした。家の庭にあるドクダミを母親が煎じてお茶にしていたので、ドクダミの生えない冬の時期はそもそも家になかったんだと思います。
ちなみにドクダミ茶はすごくまずいです。日常的に飲むお茶を健康によいものにするというコンセプトは非常に合理的だと思いますが、もっとまずくないのがあるんじゃないか、、、と思います。
天然水
Google検索で調べると、「日田天領水 宗教」というキーワードがサジェスト表示されてしまう、怪しいと思われがちな日田天領水を飲んでいました。
「お米を洗う水は水道水でいいけど、炊く時の水は日田天領水にする」という細かいルールまでありました(笑)
日田天領水の運営会社が怪しいかどうかはともかく、天然水は水道水よりもミネラルが豊富に含まれるので健康的であることは間違いないです。
一時期自分でも天然水を買おうかと思いますが、やっぱり手間がかかるのがネックです。ペットボトルタイプは割高なので、日常的に飲むなら上記リンクのようなBOXタイプの方がコスパがいいのですが、1個が10リットルを超えていたりするので重くて、運ぶのが大変です。
父親を除けば家族の中で一番体格がよかった私が運ぶ担当にされていて、いつも天領水BOXを運ばされていました、、、。
玄米
毎日毎食100%玄米でした、、、。炊き込みごはんのときだけ白ごはんになるので、それがすごく楽しみでした。
「BASE FOODに飽きたので玄米で代替できないか考えてみた」の記事で調べてみましたが、確かに玄米の栄養素は高いです。わざわざ栄養をそぎ落として白米にするのはエコ的な観点からみるとすごく無駄の多い話なのだと思います。
しかし、とにかく固いし、おいしくはないです。
1.8㎏×4が4,219円という驚きのコスパの悪さではありますが、最近は高温スチームをあてることで表面をなめらかにし、食べやすくした玄米もあるそうです。
意外と効果はある
筆者の母親、結構研究熱心なタイプなので、効果がない民間療法はおそらくどんどん不採用にされていたのだと思います。そのため、ある程度の効果は感じられるものが多かったです。
でも、自分では使わないなと思うものも多いです。自然治癒力を高めようとする民間療法などの目的は、健康寿命を延ばすことだと思うのですが、ウナコーワークールの代わりにびわ焼酎を使ったところで健康寿命に大きな影響を与えるように思えません。
以前は傷を乾かす方法が主流だったが、今は乾かさない方法に変わっているという話もそうですが、科学の進歩によってよりよい治療法が発明され、古い方法は不要になっていっている面もあると思います。
しかし、風邪のときは症状を無理に抑えることはせずに体をあたためたり栄養のあるものを食べるなどの考え方は、現在でも合理性のある対策になっているでしょう。
民間療法は特に、自分で使い方を考える必要がありますね。