栗原はるみさんの製品は、パッケージもおしゃれなのでついつい試してみたくなります。
雪印メグミルクが販売している「栗原さんちのおすそわけ ミルク大好きパンナコッタ」はおいしいですしね。(パンナコッタがあまり売っていないので他製品と比較しづらいだけかもしれませんが)
S&Bから販売されている「わたしのカレー」も、パッケージがおしゃれだったので買ってみました。しかし、口コミを見ると低評価が多く、「おいしくない」と言われているようです。また、「化学調味料無添加」をアピールしておきながら、そのほかの添加物はガンガン使っているコンセプトのぶれ具合も気になります。
この記事では、栗原はるみ「わたしのカレー」の特徴や口コミを紹介し、ほんとうにおいしくないのか、実際に食べてみた感想を紹介します。
「わたしのカレー」の特徴と口コミ
Amazoのレビューを見てみると、星1つが23%もついていて、低評価が目立ちます。
参考までに、バーモントカレーでは星5つが50%を超えていて、星1つは5%のみです。
カレーという、無難な食材で星1つがこれほど多くなるということは、「わたしのカレー」はかなり癖のある味なのかもしれません。
星1つのコメントにはどんなものがあるんでしょうか? 「わたしのカレー」の特徴と併せて、口コミを紹介します。
化学調味料無添加でうまみが少ない?
栗原はるみ「わたしのカレー」は、パッケージに目立つように、「化学調味料無添加」と書かれています。
化学調味料無添加だと、うまみは少なくなりがちです。一般的なカレールーは化学調味料(アミノ酸)でうまみを補強しているので、化学調味料なしならその分素材から引き出すうまみを強くしないと、うまみが薄く感じられがちです。
栗原はるみ「わたしのカレー」は、以下の2点が売りだそうです。この2つで化学調味料ありの製品に匹敵するうまみを出せているかどうかという問題になりますが、口コミを見るとうまみはやはり薄く感じられるようです。
- ・じっくり炒めた玉ねぎの凝縮された甘み
- ・チキンとビーフ、2種のブイヨンのうまみと香り
カレーが好きなので、色々なルーを試して見ましたが、今までで一番口に合いませんでした。
Amazon
旨みが全く感じられず、舌触りも悪いです。
有名な料理家さんなので期待していましたが、残念です。
この方は、味がおいしくないという感想のようですね。
スパイスは効いている
公式サイトを見てみると、スパイスにはこだわっているそうです。
ナツメッグ、シナモン、オールスパイスなど、こだわりのスパイスの香り。
公式サイト
とろけるカレーと食べ比べをしてみたのですが、確かにスパイス感は強かったです。
安めのカレールーだとあまりスパイスを感じられないこともあるので、この点に関しては星4のレビューがついていました。
スーパーで購入。少しお高めですが、粉で作れて楽そうだったので。肝心の味ですが、スパイシーで中辛です。お店の味のような感じで、バーモ○トばかり作る私には斬新な味でした。自分の作るカレーは正直嫌いなんですが、このカレーは私にはバッチリ合いました。別の方のレビューに苦いとありましたが、確かに苦味もありました。私にはスパイス系の苦味かと感じました。リピート有りのルーです。
Amazon
人工甘味料が含まれている
「化学調味料無添加」を売りにしていて、自然派食品っぽいイメージの「栗原はるみ わたしのカレー」ですが、原材料を見てみると全く自然派ではなく、人工甘味料のスクラロースとアステルファムKや、リン酸CA・乳化剤などの添加物が含まれています。
食用油脂(牛脂豚脂混合油脂(国内製造)、なたね油)、でん粉、小麦粉、食塩、カレー粉、酵母エキスパウダー、ミルクパウダー、トマトパウダー、ソテー・ド・オニオン、オニオンエキスパウダー、ポークエキスパウダー、砂糖、香辛料、チキンブイヨンパウダー、ソースパウダー、ビーフブイヨンパウダー、ローストガーリックパウダー、乳等を主要原料とする食品(バター、牛乳)、マッシュルームエキスパウダー、小麦グルテン酵素分解物、プルーンエキスパウダー、白ワインパウダー、バター/カラメル色素、リン酸Ca、酸味料、乳化剤、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、香料、(一部に小麦・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む)
スクラロースとアステルファムKの安全性については、現在論争中の状態です。安全性に問題はないと主張する人もいますし、世界の多くの国で認可されています。しかし、安全性に疑問があるとの研究結果も出ているため、「危険な可能性があるなら食べない」派の人は食べるのを避けています。
コンビニなどで売られているお菓子には入っていることが多いですし、人工甘味料が入っているのが嫌な人は買わなければよいだけで、「そんな製品を作るなんてけしからん!」という風には私も普段は思わないのですが、今回は少し違和感を感じました。
「化学調味料無添加」を売りにしているわけですから、自然派層に買ってもらうことをメーカーとしては狙っています。それにもかかわらず人工甘味料を入れるというのは、なんなんでしょうかね、、、?
アマゾンのレビューでも怒っている人がいました。
アセスルファムKとは、製造工程で発がん物質の塩化メチレン(ジクロメタン)を溶媒として用いている危険物。 あたかも健康志向の釣り文句、化学調味料無添加には騙されませぬように!
いかにも添加物使ってなさそうなPR方法をしている商品に添加物が入っていると、がっかりしてしまいますよね。
ミルクパウダーの配合量が多い
「栗原はるみ わたしのカレー」には、7番目に配合量が多い原材料として「ミルクパウダー」が使われています。
あまり一般的ではありませんが、カレーの味をまろやかにする隠し味として牛乳が使われることもあるようです。
このため、「ミルキーな変なニオイと味」がするという理由で星1のレビューをつけていた人もいました。
味が、独特なミルキーな味わいがする。
化学っぽい牛乳ぽさというか、ミルキーな変なニオイと味がします。
この異様な乳臭さがなければリピートしたい商品です。
自分で食べてみたところ、ミルク感には気づきませんでしたし、そこまでおいしくない感じはしなかったので個人差もあると思うのですが、配合量7位というと結構入っていますから、気になる人もいるのかもしれません。
不満の原因は価格設定とコンセプト?
実際に「栗原はるみ わたしのカレー」を食べてみましたが、星1が続出するほどまずいとは感じませんでした。スパイス大好きな夫は、むしろおいしいと言っていました。
しかし、価格はお高いです。「この価格にしてはまずい」という感想を持ってしまうことが低評価につながっているのかもしれません。
また、化学調味料無添加にしているために味が薄くなりがちで一般の方からの受けが悪くなる一方で、ほかの添加物がバンバン入っているために化学調味料無添加を評価する層も買わないというコンセプトのぶれかたにも原因があるように思います。
内容量が少なく価格が高い
1個あたりの価格では、S&Bの「とろけるカレー」など、一般的なカレールーとそこまで差はないのですが、「栗原はるみ わたしのカレー」は内容量が少なめなので、100グラムあたりの価格では結構お高いです。
「とろけるカレー」と、スーパーで売っている高めのカレールーの「プレミアムフォン・ド・ボー ディナーカレー」、この次に紹介する直火焼りんごカレールーと100グラムあたりの価格を比較してみました。
商品名 | 100グラムあたりの価格 |
栗原はるみ わたしのカレー | 300円 |
とろけるカレー | 76円 |
プレミアムフォン・ド・ボー ディナーカレー | 418円 |
直火焼りんごカレールー | 358円 |
そこまで味の違いは感じませんでしたが、「栗原はるみ わたしのカレー」は「とろけるカレー」の3倍以上しますね。「プレミアムフォン・ド・ボー ディナーカレー」よりは安いですが、かなりお高めのカレーといえます。
化学調味料だけ無添加にしたから?
我が家は基本的に化学調味料無添加の食品が多いので、「栗原はるみ わたしのカレー」を食べても特にうまみが少ないとは感じませんでした。
ポテチなど、化学調味料添加ありの商品と無添加の商品をいろいろ食べ比べしているのですが、やはり化学調味料無添加だと多少うまみが薄く感じてしまうのは仕方ないです。
ものによるので、化学調味料無添加の方がおいしく感じる商品もありますが、そうではないものもあります。
化学調味料無添加を好む人はわかった上で買っているので、うまみが少ないと不満を持つことはあまりないです。
しかし、「栗原はるみ わたしのカレー」には化学調味料以外の添加物がかなり入っているので、商品を買うときにパッケージの添加物を確認する層は買いません。
こういうコンセプトのずれも不評の原因のように思われます。
ちなみに栗原はるみさんは無添加にはこだわっているようですが、「ゆとりのキッチン」シリーズで販売されている鶏ガラスープも、ほかの無添加系鶏ガラスープと比べてそこまでおいしくはありませんでした。
自然派志向なら直火焼カレールーがおすすめ
「化学調味料無添加」とは、味付けとしてアミノ酸を使用していないことです。アミノ酸はうまみの主成分でかつおぶしなどにも含まれるので、悪いものではないと思うのですが、嫌っている方も多いですよね。
アマゾンなどで「無添加カレー」と検索すると、薬膳系のカレールーなどの特殊なものが表示されがちですが、特に化学調味料無添加をアピールしなくても、アミノ酸が添加されていないものは実はあります。
「直火焼」と書いているカレールーは無添加の確率が高いです。
直火焼りんごカレールーという商品の原材料を見てみると、「栗原はるみ わたしのカレー」や「とろけるカレー」と比較してもかなりシンプルですよね。
直火焼りんごカレールー | 小麦粉、食用油脂(牛脂、豚脂、植物油脂)、カレー粉、 果実、野菜(トマト、りんご、玉ねぎ、にんにく)、食塩、 砂糖、チャツネ、発酵乳、肉エキス(ポーク、チキン)、 酵母エキス、カラメル色素 |
栗原はるみ わたしのカレー | 食用油脂(牛脂豚脂混合油脂(国内製造)、なたね油)、でん粉、小麦粉、食塩、カレー粉、酵母エキスパウダー、ミルクパウダー、トマトパウダー、ソテー・ド・オニオン、オニオンエキスパウダー、ポークエキスパウダー、砂糖、香辛料、チキンブイヨンパウダー、ソースパウダー、ビーフブイヨンパウダー、ローストガーリックパウダー、乳等を主要原料とする食品(バター、牛乳)、マッシュルームエキスパウダー、小麦グルテン酵素分解物、プルーンエキスパウダー、白ワインパウダー、バター/カラメル色素、リン酸Ca、酸味料、乳化剤、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、香料 |
とろけるカレー | パーム油・なたね油混合油脂(国内製造)、小麦粉、砂糖、食塩、でん粉、カレー粉、フルーツペースト、ポテトフレーク、香辛料、白菜エキスパウダー、野菜ブイヨンパウダー、野菜ブイヨン、ビーフブイヨン、ポークパウダー、酵母エキス、酵母粉末、さつまいもパウダー/調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料、乳化剤、香料 |
直火焼とは、スパイスと野菜などの原料を鍋に入れて焼くことです。他の製品は、原材料の野菜も「パウダー」と表記されていますが、直火焼の方は野菜そのものの表記となっていますね。
直火焼きは高いですが、その分原材料に気を遣っていることが多いです。
素材を煮込んで作っているカレー専門店と同じ作り方ですね。