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秋川牧園は共産党と関係ある? 活動内容や生協との比較から考えてみた 

SEOツールというのを使うと、「あなたのサイトはこのキーワードの記事を作るともっとアクセスが上がるよ」という候補のキーワードが表示されるのですが、それに「秋川牧園 共産党」というキーワードがありました。月間で500回くらいこのキーワードで検索されているようで、かなり多くの方が関心を持っているようです。

しかし、秋川牧園のどこが共産党に見えるんでしょうか? 全くそうは見えません。サイトを見てみたところ、放射能についてのメニューがありましたので、もしかしたらそういうところに原因があるのかもしれませんが、、、。

放射能を気にしているだけで、「左翼⁼共産党」という連想は飛躍しすぎです。本当に左翼っぽい生協などを見ると、秋川牧園は全く共産党っぽくないことがわかります。

そこで、この記事では、左翼っぽく見える秋川牧園の活動内容を確認し、本格的に左翼っぽい生協であるグリーンコープと比較してみようと思います。

秋川牧園と共産党のつながりに見える要素は?

秋川牧園が共産党に見える可能性のあるものをいくつか挙げてみました。

①放射能を気にしている

②生協で多く扱われている

③環境問題・動物福祉に取り組んでいる

放射能を気にしている

トップページのメニューにも表示されるほど、放射能対策については気を遣っているようです。

放射能にこだわる団体は確かに左翼っぽいところが多いです。しかし、政治的には左翼でなくても放射能を気にする人もいます。

放射能は、「人体に有害なことは確かだが、基準値以内なら問題ない」とされているものですよね。

これは、食品添加物の「一日摂取許容量」の考え方に似ています。食品添加物にも、「毒性があるのは確かだが、一日摂取許容量の範囲であれば問題ない」として使用が認められているものもあります。

この一日摂取許容量は、一生毎日食べ続けても健康に影響がない量と推定されているものですが、もちろん生身の人間に毎日食べさせて死ぬまで観察したわけではありません。動物試験の結果をもとに、動物と人との差などを考慮して設定されているものです。

自然派志向の強い人は、「一日摂取許容量」って信用できるの? なるべくならゼロにした方がいいんじゃない?という考えて、食品添加物を嫌がっているんです。(そこまで考えずになんとなく避けている人もいますが)

もともとそういう考え方をする人が多いので、国が「この量の放射能なら安心」と言っても信じないわけです。添加物すら信じていませんから、放射能の基準を信じないのはある意味当然のことで、添加物嫌いの人に慣れている立場から見ると、放射能を避けることが左翼に直結するようには見えません。

みそ・マヨネーズまで手作り、お茶は庭にある葉っぱから煎じて作る、病院・市販薬NGだったガチガチ自然派の私の母も、政治的な発言は全くしませんでした。

「家族であっても政治的な話はしない」と言って、選挙の話などNGの家庭だったので、はっきりした根拠はないのですが、入れてるとしたら左派政党だろうなという感じはなんとなくしていました。しかし左派政党と言ってもいくつかありますので、共産党とは限りません。

生協で多く扱われている

生協で秋川牧園の製品が扱われていることは多いです。

生協そのものに、共産党とつながりがある疑惑を持っている方が多いですから、その生協と数多く取引している秋川牧園も共産党とつながりがあるように見えてしまうかもしれません。

しかし、利用者の立場から見ると、生協の要求を満たした作り方をしてくれる会社が他にないから秋川牧園に集中しているだけのように見えます。

自然派生協は、飼料や育て方までこだわっています。

こちらは生活クラブの秋川牧園特集なのですが、ここからもわかる通り、のびのび飼育・無投薬飼育・添加物なしの飼料・遺伝子組み換えなし飼料など生協が求める基準をクリアしたお肉である必要があるのです。

一般的には1坪(3.3メートル四方)当たり50羽超の鶏を入れる「ギュウギュウ詰め飼育」が主流だが、菊川農場では坪当たり35から40羽前後の「のびのび飼育」を心がける。このため、鶏が自らの生理と自然の摂理に沿って育ち、丈夫で病気になりにくく、抗生物質や抗菌剤不使用の「無投薬飼育」が実現できる。

与えるえさも他のブロイラーとは異なる。一般的な配合飼料には飼料添加物はもとより、ときには牛海綿状脳症(BSE)を引き起こしたとされる肉骨粉の類いが含まれるケースまであるという。その主原料は主に米国から輸入されるトウモロコシや大豆だ。これらには遺伝子組み換え作物(GMO)が抱える将来的な健康リスクが付いて回るだけでなく、GMOとセット販売される除草剤の主成分「グリホサート」の残留リスクも高い。

普通の会社ではここまでこだわっている生産者は少ないので、必然的にあの生協もこの生協もお肉は実は秋川牧園、という状態になってしまいます。

生協の基準を満たして作ってくれれば他の会社でもいいわけなので、複数の生産者から仕入れたお肉を販売する生協も多いです。

その場合、秋川牧園は複数の生産者の中の1つになりますが、他の生産者はだいたい一般消費者向けに取引をしておらず知名度がないため、秋川牧園が特に目立ってしまうのだと思います。

参考までに、東都生協では以下の6社から鶏肉を仕入れているそうですが、秋川牧園以外は聞いたことのない名前ですよね。BtoB(企業対企業)の取引の会社と思われます。

赤鶏農業協同組合
マルイ農業協同組合
東富士農産 株式会社
株式会社 秋川牧園
株式会社 十文字チキンカンパニー
内外食品 株式会社

環境問題・動物福祉に取り組んでいる

公式サイトによると、秋川牧園は、環境問題・動物福祉に取り組んでいるようです。

ある程度の規模になると、「企業の社会的責任(CSR)」といって、何らかの社会的活動をしないといけないという風潮があるのですが、食品企業としてそのジャンルを環境問題・動物福祉にするのは不自然なことではないです。

秋川牧園の売上高は直近で66億円だったので、中堅企業ですね。規模としては、国立大学法人や地方銀行くらいになります。この規模の企業になると、CSRとして何かやっていることの方が多いです。CSRをやるかどうかに法的義務はありませんが、会社の規模が大きくなっても何もやらないと逆に変な目で見られてしまう可能性もあるため、どこも何かしらやっています。

しかも、秋川牧園の利用者である自然派志向の人は、環境保護・動物福祉に関心がある人の割合が高いので、サイト内の比較的目立つ位置でアピールしているのだと思われます。

欧州ではこの動物福祉の考え方が進んでいて、食用の動物に対しても、扱い方の基準が設定され始めているそうです。そのうちこの考え方が日本にも輸入されて、「どうせ殺して食べるんだからどう扱ってもいい」というような現状の企業の方針も変わっていくのではないかと予想されます。

左翼っぽい生協と比べると秋川牧園は全然普通

企業のイメージアップもできるし、CSRにもなりますしいいことばかりなので、環境問題・動物福祉をやっている程度では全然左派には見えません。

では、見るからに左派っぽいとはどういうことか、グリーンコープと生活クラブのケースで紹介します。

グリーンコープ

関西より西に展開する「グリーンコープ」という生協は、左派的活動が活発です。

トップページからみられるグリーンコープの取り組みとして以下のものがあります。

グリーンコープ活動分野

遺伝子組み換え反対・放射能検査あたりは、食の安全と関係しているのでまだ普通な感じはしますが、平和活動・脱原発まで入っているところは左翼っぽく見えてしまいます。

脱原発も、「原発やめてください」と主張するだけではなくて、行動力がすさまじく、発電所まで作ってしまったそうなのです。

再生可能エネルギーを使った電気事業をやっているのは知っていましたが、既存の再生可能エネルギー業者と提携しただけかと思っていました。しかし、公式サイトによると、再生可能エネルギー業者との提携に加えて、自前の発電所も3つ設置しているそうなのです。

発電所名所在地エネルギー発電出力
馬洗瀬小水力発電所熊本県小水力22kW
杖立温泉熱バイナリー発電所熊本県温泉熱49kW
ながわ小水力発電所長野県小水力700kW

火力発電所などの通常の発電所だと、1か所で500万kWくらい発電できるので、全然規模は違いますが、それでも自前で作ってしまうのはすごいですね。

また、平和活動の内容的もがっつり左翼という感じになっています。

しかし、左翼にもいろいろありますから、明らかに左翼ではあるけど「日本共産党」との関わりはなさそうに見えるという結論になりました。グリーンコープに関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。

生活クラブ

生活クラブの方も、左翼っぽくは見えるけど「日本共産党」との関わりはなさそうに見えるという結論になりました。

生活クラブグループ専用のシンクタンクがあるらしく、ニュース一覧を見てみたところ、左翼オーラはすごいですね。

反差別、連帯、共謀罪反対、安保関連法反対、、、左翼的テーマしか見当たりません。結構ガチな印象を受けました。

生活クラブも、売っている商品は基本的に食品で、日用品が少しある程度です。同じ食品を販売している団体でも、秋川牧園とはかなり違って見えますよね。

それでも秋川牧園は共産党っぽく見える?

戦前は共産党が弾圧されていましたし、表立った弾圧がなくなってもイメージは悪かったので、共産党が隠れ協力者(シンパ)が多い組織だったのは事実です。

しかし、現在の共産党の影響力は低下していますから、「表立ってつながりを感じさせるものがない」場合、巧妙に隠しているのではなく本当に無関係のことが多いです。

自然派企業は特に共産党とのつながりを疑われがちで、生協以外にも宅配サービスのおいしっくすも疑われています。しかしこちらも特に根拠のない疑いのようです。

明確なつながりが見つからない企業については、あまり気にせず利用してみることをおすすめします。